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お兄様が入国されました ~三男編~

次男、三男…編は皇子と似たような遣り取り。

タイプの違う兄による皇子の説得。

メンドクサイ兄達と粘る皇子の言葉遊びです。

長男政治家思考、次男脳筋、三男商人タイプ

面倒であれば、次男、三男編は、

冒頭と終りを以外を読み飛ばして下さい。


【白媛】

才夏国 侯爵家令嬢 母は王妹

国王夫妻の勧めで、帝国に留学中

借り住まいの皇城の庭園で、蛇姿の皇子を助けた。

皇子妃回避のため、策を練っている最中。


【緑華】

英華帝国 第4皇子

もうひとつの姿は 碧色の美しい蛇

白媛を皇子妃候補として婚約した。


【赤橙】

才夏国 侯爵家 三男

次期財務大臣

白媛の笑顔命

剣よりも金で解決することこそ至高のヒト

 再度、緑華皇子から()()()()()があった。

 私にとって()()()()だ。

 ()()()()殿()()との同衾はお断り。


「具合が悪い」とお断りした。



 私は、祖国にいる、()()()()()()、早く帰りたいと訴え、助けに来てくれるよう ねだった。






「お兄様!」 「白媛!」


ひしっ、と抱きしめあったあと、お兄様は唇を歪めた。



 お兄様は次期財務大臣と期待される文官の星だ。

 そのお兄様が、顔を歪めて哀しむ姿は妹の私から見ても切ない。


 2人で沈んでいると、来客が告げられた。




 来客は側近を引き連れた緑華皇子だった。


「赤橙殿? お初にお目にかかる。緑華だ」


「御目文字かない、恐悦至極にございます」


 お兄様は、胸を反らして挨拶を返す。




「恐れながら殿下。妹が殿下のお命をお助けした件ですが、褒美は既に賜りましたでしょうか? 褒美をとらせることもなく罪を問うたのではございませんよね? まさか左様な吝嗇なことをされることはございますまい。」


「何だと!」


 側近達が我慢ならぬと剣を握る。

 緑華皇子に制止され、不承不承に引き下がる。


 側近達に呪われそうだわ。


「貴族を束ね、民を導く皇族たるもの、必賞必罰は、為政者として肝要なものと愚考致します。しかしながら、此度殿下は賞を与えるべき妹を罰し、罰を与えるべき刺客や護衛を罪なしとし、褒美を与えたにも等しい行いをされました。皇族して如何様にお考えか?」


 お兄様は、答えよと言わんばかりに捲し立てた。


「貴様!生意気な!」


 側近達の血管がきれてしまいそう。

 お兄様が訴えられたら、どうしましょう。



「そなたの言い分もわかる。だがな、あの時私は傷を負っていた。皇子を害した刺客にいちいち追っ手をかけていたのでは、いくら金があっても足りぬ。身を隠すことで血税を守るため、あえて蛇の姿になっていたのだ。仕方あるまい?」


 国民の財産を守る為だと、殿下は笑った。



「ならば、罪を問うべきは刺客でしょう!」


「しかしな、そなたの妹は受けると申したぞ」


「は?!」


「開戦か、婚姻かと問うた私に、そなたの妹は婚姻を受けると申したのだ」


「白媛?」


 お兄様が、険しいお顔をこちらに向ける。


「……致し方なかったのです」


「此方としても才夏国との戦は望まぬ。皇子に罪を犯させた賠償はいかほどであろうな? 必賞必罰であるならば、なかったことにするとは言うまいな?」


「………国に持ち帰らせていただきます」


 兄は肩をすぼめて引き下がった。





 皇子殿下が側近達と戻っていくのを見送ったあと、お兄様は髪をかきむしった。



「白媛? なぜ兄の承諾もなく受けたりしたのだ?」


「申し訳ありません。相談したいと申し上げたのですが、開戦かと問われまして……」



「国王陛下と父上に相談してみよう」


 はあぁ、と深い溜め息をついて、お兄様は帰っていった。






 夕食の席にて皇子殿下。


「妹思いの兄が多いことは喜ばしいことだ」




 その夜半 才夏国某所のひとりごと。


「いつまで、そんなことが言えるかな?

 …………ごめんよ、白媛。必ず行くから」





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