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文化祭 二日目

文化祭二日目。

占い師。

「お疲れ様。完売したから、後は自由でいいよ──」


 午後、終わりまで残り二時間になった時、喫茶店のお菓子と飲み物が完売した。


「よっしゃ!」

「終わり!」


 数人の男子がエプロンを投げ捨て、教室を出て行く。

 委員長は、売り上げ金額を出して、計算を始めた。

 ドアの外側に【完売しました! 閉店】の紙を貼って、創也(そうや)のもとに行く。


「まわろうまわろう!」

「はいはい。野上(のがみ)たちは?」

「え?」


 周りを見ると、唐崎(からさき)さんと野上さんはいなかった。


「お前、誘ったって言ってたよな。ドタキャンか?」

「そんなわけないよ! それに創也だって唐崎さんにドタキャンされたんじゃないの?」

「はあ?」


 ちょっと空気が悪くなったとき、野上さんたちは現れた。


「ごめーん。ジュース買いに行ってた──はい矢倉(やぐら)の分」

松木(まつき)くんは、これ」


 と、なんとジュースをくれた。


「サンキュー」

「あ、ありがとう!」

「どういたしまして」

「いいえ──」


 唐崎さんたちはニコリと笑った。

 とりあえず、皆で一息ついてから、歩き出した。


「どこ行く? 食べ物関係は全部終わっちゃってるけど……」

「そうだな──幸多(こうた)は何かないのか?」

「おれ? そうだな……」


 何も考えてなかった。

 周りを見ると、特に面白そうなのは……


「占い……?」


 野上さんが疑問系でぽつりと呟いた。

 少し前の方に、占い屋? があった。

 外装は紫が基調となっていて、いかにもな感じ。


「じゃあ、占いやろう!」

「いいね! あたし占い好き」

「俺はパス。興味ない」


 と創也は手を振る。


「わかった。じゃあ行ってくるから、創也は待ってて!」

「お前、占ってもらうのか?」

「え? ちょ、ちょっとね//!」


 恋愛運見てもらいたいし……


「あっそ。行ってこいよ──」


 と創也は手で払う仕草をして、壁に寄りかかった。

 おれたちは、占い屋? に向かった。


 教室に入ると、一人の生徒がいた。


「ようこそ。占いの館へ。この館は、一人ずつの占いとなっております。番号がふられている部屋に、一人ずつ入ってください。占い師は、あなたの質問に答えてくれるでしょう。それでは、先にお進みください──」


 順番に、野上さんが一番。唐崎さんが二番。おれは三番の部屋に入った。


「……どうも」

「いらっしゃい。ささ、座ってください」


 促されて、目の前の椅子に座る。

 机の上には、水晶らしきものが置かれ、占い師は黒いマントを身にまとっていた。


「何を占って欲しいのですかな?」

「あ、恋愛運を……//」

「わかりました。しばし待たれよ──」


 占い師は、水晶の上に手をかざし、何か呪文らしきものを唱え、スッと手を横にずらした。


「見えましたよ……」


 そして、一息吐くと、ニヤリと笑って言った。


「この先、あなたの恋を邪魔する人物が現れるでしょう──」

「ええ?! 誰ですか!?」

「名前まではわかりません……ただし、女子だということを伝えておきます──」


 占いは、それで終わってしまった……。

 女子って、唐崎さん? そしたら問題ないよな……。


「どうだったよ」

「……なんか、微妙だった──」


 占いの館を出て、創也の質問に答える。

 二人ももう終わって、創也の近くにいた。


「あたしは良かったよ。由里葉(ゆりは)は?」

「……うん。まあまあだった──」


 と野上さんは苦笑いをした。


 その後は、残り時間目一杯楽しんだ。

 お化け屋敷は、二人組で入って、野上さんと入った。

 野上さんが、キュッと制服を握ってきたときは、お化けよりもドキドキした……////

 でも、ちょっとは信頼されてると思うと、嬉しかった──//


 ……そしておれは、忘れていた──占い師の言葉を──



 


休日投稿です。

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