一段落したけど?
遅くなりました、
女子、現る。
文化祭も無事終わり、季節も秋から冬に移り変わる頃。
皆、テストの準備に取りかかり始めていた。
おれは、久しぶりに図書室に来ていた。
放課後ということもあり、室内は少しの生徒しかいない。
「何か面白い本あるかな──」
難しそうな棚は飛ばして、日本人作家の棚に移る。
すると、一人の女子生徒が背伸びをして、頑張って本を取ろうとしていた。
あとわずかだが、届かない。
…………取ってあげた方がいいかな?
ちょっとした親切心で、本を取ることにした。
「はい」
本を取って、彼女に渡した。
「あ、すいません──ありがとう」
受け取りながら、彼女は笑った。
ほっぺにえくぼができている。
「どういたしまして──」
「……松木幸多くん、だよね?」
「そう、だけど……?」
彼女は、やっぱり! と笑顔で話し出した。
「前に、冷やし中華食べに来てたよね! 料理研究部に。私、料理研究部の実川ゆずるって言うの。あ、でもクラス違うからわからないよね……」
と一瞬にしてシュン……となる。感情豊かな人だ。
「うん、ごめんね。実川さんね、わかった」
「わあ嬉しい! 私ね、幸多くんのこと前から気になってたの──」
ん……? 名前呼び?
「体育祭の時、落ちたけど大丈夫だった? 私心配で……」
と実川さんは本を胸に抱きしめて、上目遣いをしてくる。
「うん、大丈夫だよ。ちょっと痛かったけど……」
「そっか……。ならよかった!」
とまた笑う。
そして、今度はもじもじし始める。
「……どうしたの?」
「私ね……幸多くんのこと、好きなの」
「……ヘ?」
「急にごめんね! でも、いつかは言わなきゃいけないって思ってて……それで今日、偶然会えて……。だから、今言っておこうって──」
「え!?」
ちょっと待って? 今初めて知って、初めて話すのに、なんでこんなにハッキリ話せるの? てか全然知らないのに告白って……
「おかしくない?! っていうかおれ──」
「知ってる! 知ってるよ……、幸多くんが野上さんのこと好きなの──いつも見てるから」
「……//!?」
「だから、私決めたの。幸多くんが、私を好きになってくれるように努力しようって」
実川さんはおれをまっすぐ見据えて言った。
「何をしてでも。幸多くんが私のことを、野上さんよりずっとずっと想ってくれるように。だから……覚悟しててね!」
とウィンクする。
「覚悟って……」
「それじゃ、幸多くん。私頑張るから! じゃあね、本ありがとう!」
と実川さんは、呆然とするおれを置いて、図書室から出ていった。
「…………どうすればいいの?」
ぽつりと、おれは呟いた……
*
そして次の日から、実川さんの猛アピールが始まった。
登校すると、下駄箱で出迎えに来たり、休み時間はかかさず会いに来た。
帰りは実川さんが部活があるから、一緒に帰ることはなかったけど、いつもドキドキしていた。
いつどこから来るのかわからないし……。
そして遂に、創也たちと放課後勉強をする事になった日、実川さんは現れた──
次回、実川さんが大胆?な攻撃?を仕掛ける……!?
休日投稿です。




