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朱夏  作者: NiaN


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8話

「とうちゃーく」


俺は隣町に着くと勢いよく車を飛び出して叫んだ。

魔力の循環とかいうめっちゃ疲れることから解放されたのだ。

叫びたくもなる。


「…騒がしいわね。魔力を循環させてたのは初めてなのに意外と元気ね。少しは疲れたものだと思ってたわ」

「めっちゃ疲れてますけど!?」

「そんなふうには見えないわよ」


ラナはいきなり歩き出した。


「今から行くのは隣町の領主の屋敷です。ヴィンス君、くれぐれも失礼のないようにしてくださいね」

「ああ、わかった。気をつけておく」


ラナに置いていかれないように俺たちは早めに歩く。



隣町の屋敷に着くとラナが振り返った。


「準備はいいかしら」

「はい」

「ああ」


俺たちに確認を取ると屋敷の方へ再び歩き出した。

屋敷に近づくと扉が勝手に開いた。


「えぇ、なんだこれ」


びっくりしていると執事長が「魔法で私たちが来たことを感知してあげたのでしょう」と教えてくれた。


「久しぶりね、ラナ嬢」


屋敷の入り口に入ると階段の上に優雅なお嬢様が立っているのが見えた。


「ええ、久しぶりね」

「見ないうちに少しは成長したようね。だいぶ大きくなったね」


あの優雅なお嬢様はラナに向けて親指を立てながら言った。


「…もう、子ども扱いされる年齢じゃないわよ。」

「そんな悲しいこと言わないでよ。親から見れば子どもはいつまでも子どもよ」


見た目も性格もあまり似ていない本当にこの人はラナの親なのかと執事長にこそこそ確認を取ろと


「なあ、執事長、あの人って本当にラナの親なのか?」


執事長が答える前に冷ややかなラナの声が聞こえた。


「…あなた、私の親じゃないでしょ」


…なんだこの人、普通にヤバい人なのか。


「まったくもう。…つれないなぁ」

「あなたのそのノリにはもう乗らないわ。それより本題に入りましょう」


執事長が昔ラナがあの人のノリに付き合って大変な目に合ったんだと教えてくれた。

何が合ったのかは教えてくれなかったが、後でラナに聞いてみよう。


「フェリーチェ家の領主の件よ。私はラナ、あなたの陣営につくわ。」

「ほんとに!?あなたがいてくれると心強いわ」

「ええ、でも条件があるわ」

「何かしら?」

「ここ最近、この領地内で魔物が大量発生しているの。原因を突き止めて。それが条件よ」


らなは了承し、屋敷を出ていく。

俺たちもおいて行かれないよう屋敷を出ていく。

しかし、原因を探せと言われてもどうするつもりなのだろう。

おれには見当がつかないが、きっとラナには何か策でもあるのだろう。


「なあ、ラナどうするんだ?何か策はあるのか?」

「策はないわ。とりあえず魔獣を探しに行きましょ」


あんな自信満々に策がないとか言うなよと俺は思った。



運転手が待っていた車に向かい屋敷から少し離れたところへ向かう。

行きに来るときは魔力操作に集中していて気付かなかったが、相当な数の魔獣だ。

運転手が魔獣をどんどん轢いていく。

これに轢かれたらひとたまりもない。

俺は運転手を怒らせないよう心に誓った。

というか、車に乗ったまま試合に出てればこいつ1人で勝てたんじゃないか。


読んで頂きありがとうございます。

この作品は小説家になろうとカクヨムにて投稿しております。

Twitter(現X)

https://x.com/NiaN_kami

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