6話
昨晩、団長とたくさん笑ったからかだろうか?今日はよく眠れた気がする。
ぐっすり寝ても悔しいことに変わりはないが頑張る理由ができた。
着替えて部屋を出て、廊下を歩いていると向こうから執事長が歩いてくるのが見えた。
昨日の傷が残っているのだろうか。
普段より少し歩き方がぎこちない。
「おはようございます、ヴィンス君」
「おお、執事長もおはよう」
執事長と軽い挨拶を交わした。
俺は修行期間に多少は学んだがそれじゃ足りない。
魔法使いとの戦闘のコツを知るべきだと俺は思いそのまますれ違いそうになったところを呼び止め聞き出した。
「なあ、魔法使いに勝つ方法を教えてくれ」
「一番簡単なのは、相手より強い魔法で相手の魔法を打ち消すことです」
「俺、魔法使えないんだが…」
「そういえば、そうでしたね。今日、隣町に行くというのは聞いていますか?」
「聞いてないが…。俺も行くのか?」
「はい。お嬢様の護衛としてあなたにもついてきてもらいます。そこで魔法使いに勝つ方法を教えて差し上げます。それでいかがですか?」
「ああ、もちろんだ。いつ出発するんだ?」
執事長は右手を顎に当て少し悩む仕草をした。
「まあ、運転手も昨日の試合で結構ダメージを負っていますから、それなりにかかると思います。」
「そういや、あの車…魔力で動かしてるんだっけか」
確かラナが控え室で言っていた。
相当な魔力を使うって話だが、あいつが重症なんじゃ動かせなくね
「そうですね。まあ、事前にある程度魔力を入れておけば負担は減るでしょう。一緒に車のとこ、先行ってますか?」
「魔力入れておくって言っても俺は何もできないぞ」
「いえ、誰にでも魔力はあります。ですので少しとは言え確かに効果はあるでしょう」
「じゃあ、行くか」
屋敷の奥にあるガレージに足を踏み入れると、少しひんやりとした空気の中に、あの車が見えた。
車の横につくと執事長は車の一部にある小さな蓋を開けて話し始めた。
「ここから魔力を注ぎます」
「どうやるんだ?」
「見ていてください」
執事長が何をしているのか見ていてもよくわからなかったが、まあこれで魔力を注げているのだろう。
「では、ヴィンス君、君もやってみてください」
「いやいやいや、何をしたのかわかんねぇって」
執事長はしばらく「うーん」と悩んでから
「では、私が補助します。ここに手を出してください」
言われた通り手を出すと、体の芯が熱くなりまるで体の全身から車に体力を吸われているような、強烈な脱力感に襲われた。
「はぁはぁ…なんだこれは」
「車が魔力を吸っているのですよ。感じますか?身体中から手に魔力が集まり、車に座れているのを」
「この感覚が魔力だってんなら感じてるな」
しばらく魔力を車に座れていると後ろからふと声が聞こえた。
「何をしているの?」
「お嬢様、今車に魔力を注いでいます」
「そう、ありがとね」
ラナは車の状態を確認し
「魔力は十分あるようね。そろそろいきましょうか」
そうして俺たちは車に乗り込む。
いつのまにか運転手がいたのは驚いたが、無事隣町に向かうことができる
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