1話
初投稿です。
生暖かい目で見守ってくださると幸いです。
ここで一句
流れ道
青春散って
から紅
我ながらいい句だ。
ところで、青春と聞いて皆は何を思い浮かべるだろうか。
友情?それとも恋愛?
そんな幸にも不幸にもなりうる、そんな人間の繋がりを思い浮かぶかもしれない。
でもそんなのは身を置いた世界に余裕がある場合だけだ。
これはそんな余裕のない世界で生存闘争に青春を捧げた人間の物語だ。
「こんだけかよ。しけてんなァ」
目の前でぶっ倒れた血まみれの男の所持品を漁りながら俺こと死神はそういう。
「みるからに貧相じゃない。」
後ろからそう聞こえた。
そんなはずはない。
こいつは今日狩った中で一番の極上だ。
なんせこいつの着ている服は5箇所しか破けていない。
こんなに状態のいい服を着てるやつなんて滅多にいないぞ。
というか今俺に話しかけたのは誰だ。
こいつを狩る時周りには誰もいなかったはずだ。俺の背後をとれるほどのやつだろう、でもこいつを貧相と言えるほど裕福なやつだ。やるしかないと思い、俺は振り向きざまに拳を打った。
「あら、危ないじゃない」
「なっ、!」
空を切った俺の拳を軽く前蹴りをしてきた。その刹那、世界は横を向いていた。
こうも簡単に倒されたのは初めてだ。
「あなた、私の下につく気はない?」
今この俺を倒したこのスズランのように可憐な女は俺に圧をかけながら言ってきた。
「は?何言ってんだてめぇ」
俺は立ち上がりながら言った。
「聞こえなかった?私の下につけと言ったのだけれど」
女はそのタンザナイトのような瞳で睨み据えてきた。
急に現れ人に配下になれだなんてどれだけ強欲なやつなのだろう。
こいつはとてもヤバいやつなのだろうと唖然としてると
「無視するんじゃないわよ」
と飛び蹴りしてきた。そうして俺は思わず
「いってぇ」
といってしまった。このスラムで何度も戦ってきたがここまで痛く感じたのは久しぶりだ。
「なんで下に着かなきゃ行けないんだよ」
俺は痛みを我慢しながら言った。
「いろいろあるんだよ。こっちにはね」
女は聞こえてたなら返事しろよと目で訴えてつつも優しい声色で言った。
「お前に従う義理はない」
「まあ、確かにそうかもね」
あれ、諦めた。そう思ったのも束の間
「毎日三食、ふかふかのベッド、もちろんちゃんと休みも与えるわ。これでどう?」
魅力的な提案だ。日によって飯も食えない時もあったし、寝る時は大抵硬い床の上でだった俺からすればそれは、天上人の生活だ。そんな生活ができるのであればこいつの下につくのもありかもしれない。そうして俺は
「わかった。お前の下につこう」
といってしまった。
「後悔はさせないわ」
そう聞こえた。本当であることを願っておく。
「そう言えばまだ名乗ってなかったわね。
私の名前はフェリーチェ•ラナ。あんたは?」
「俺の名前はヴィンスだ」
あれから1日がたった。車とかいうとんでもなく早ぇもんに乗せられ、無駄に広い建物に入っていくだけでも驚きなのに一部屋丸ごと使っていいらしい。言っていた通りベットもふかふかだ。それにご飯も置いてある料理を自由に取って食べていい。ビュッフェというらしい。こんな最高な待遇で1日を終えたわけだが、今日からはどうやらハードらしい。そう目の前の年寄りが言っていた。
「朝も言いましたが、お嬢様の護衛を遂行するため一週間ハードなトレーニングをしてもらいます。」
「わかった」
トレーニング場についてまず現状の確認だかで色々させられた。一番最初にやらされたのは1km走るというものだ。周りを五周すれば1kmだと走らされた。一周で1kmにしても大丈夫そうなんだからそうすればいいのにと思いつつ走り切った。タイムは2分半どうやら早いらしい。
さっきの年寄りもとい、フェリーチェ家の執事長が驚いてた。
次は柔軟性。そして、体術、水泳と続いていき半日かけた身体能力検査は終わりを迎えた。毎回記録に驚いてた執事長は面白かった。どれも生きていく上で勝手に身についたものだ。
「君の身体能力ははっきり言ってすごいものだ。しかしお嬢様を守るのには最善を尽くす。君には言っていた通り明日からの一週間私がみっちり鍛えさせてもらう。ひとまず今日ばゆっくり休め」
明日に備えて俺は早めに寝ることにした。
その日の深夜
「手札は揃った。始まるよ戦争が」
ラナは1人星空を見上げながら自室でそう呟いた。
みていただきありがとうございます。
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