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転生したと思ったらロボットの戦闘支援AIになっていました 〜量産機だけど美少女パイロットとこの先生き残るためにエースを狙います!〜  作者: 夕暮れタコス
第18話 フィアとメイリア

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18-4

「面白い、受けてたってあげる!」


 シシが咆哮し、二刀流での猛攻を仕掛ける。


「落ち着けシシ!連携して、クソっ!またブーメランか!フィー、また頼む!」


 イヴの背面からまたブーメランが現れた。今度は4基だ。それぞれ2基のブーメランにまたしても、追い回される。

 ラハラの要望通りに最適軌道を計算しながらシシを見守る。

 

 イヴはクーリアのプラズマソードを装備している。刀身は真紅だ。観測からも通常のソードより熱量が高い事がわかる。

 だが、アクロマティカのプラズマフィールドソードは既存のソードとは一線を画する切れ味を誇る。

 そのモーションの速さで刀身がブレないように、電磁界フィールドを利用して刀身のプラズマをより強固に圧縮してある。その結果として刀身の熱量が飛躍的に上がり、切断力の上昇に繋がったとの事だ。


 フィールドソードを刀身で受けると押し切られるため、イヴは1本のソードでシシの2本の刀身を弾くようにして捌いている。


「あらあら、これは予測以上ですね。でも新しいオモチャではしゃぐのは、そのくらいで終わりにしましょうか」


 背部のチェーンソーが稼働し始める。多関節のアームで繋がれており、それが前面へと伸びてシシのソードを受け止める。

 高速で流動する電磁界によってソードを形成するフィールドが乱されて、シシの刀身が揺らぎ始めた。

 チェーンソーに対してソードの分が悪いのは要塞内の戦闘で既に分かっていた事だ。それを対シシの切り札として使ってきたのだろう。攻防一体の1手により、シシの胴部がガラ空きとなる。そこへ向かってイヴがソードを突き立てようとしている。


「させるかッ!!」


 ラハラの決死の銃撃。ソードを持っていたイヴの右手上腕を貫いた。

 だが、攻撃のために速度を緩めた一瞬をイヴは見逃さなかった。


「ラハラ、避けろ!」

「隊長!!」


 ルミナス(ラハラ機)の急加速。だが、ライフルを突き出していた右腕と両脚の膝下を後ろから切断された。


「クッソっ!鬱陶しいんだよ!」


 悪態をつきながら、左手のライフルで脚を切断した個体を撃ち落とした。


「鬱陶しいのは、あなたです!」


 右腕をやられた事に怒りをあらわにするイヴ。俺達を追い回していた2基がラハラへと狙いを変えた。


「やらせないよ!!」


 メイリアが力強くペダルを踏み込む。フェザーユニットの出力がリミット限界近くまで上がり、大きな翼を作り出した。

 狙いを変えるために軌道修正を行う2基をその翼の羽撃きで焼き払い、さらにその羽撃きによる加速でラハラを狙うもう1基に接近、オルタバレルの単発射撃で破壊した。


「なっ、しまった!冷静さを欠いたからだと言うの!?」


「ふふ、私はさっき判断を誤って死にかけた。だけど助けてくれる仲間がいた。あなたはどう?」


 冷静さを取り戻したシシがチェーンソーを受けるのをやめ、鎖骨部の固定プラズマ機銃を撃ちながら後方に宙返りした。


「きゃあああっ!」


 クーリアの物より格段に威力の増したプラズマの機銃がイヴの頭部を直撃。元はレッドアイの物であった、淡くピンク色に光る頭部。そのバイザーにヒビが入った事でイヴが悲鳴を上げた。

 シシが追い打ちをかける。宙返りの途中、逆さまになった状態で、まるで宙にある足場を蹴るようにして跳躍。イヴの頭上を通り過ぎながら2本のチェーンソーアームを切断した。だが、振り向きざまの左腕プラズマブレイドで腰部を斬りつけられ、グリーム(シシ機)の下半身が火花を散らし始めた。


「くっ、しまった。反応が早すぎる」

 

「何が仲間だァァ!」


 動きの鈍ったシシにトドメを刺そうとするイヴの攻撃を間一髪、ダガーで受け止めた。

 

「さっきの要塞での戦闘でも同じ有り様だったでしょ!1人じゃ手も足も出なくても、2人力を合わせたら勝てた!」


「俺とメイリアじゃ手も足も出なかったが、ラハラとシシが加わればこの状況だ!」


「でもまだ負けてない!あとはあなた達だけ!」


 紅いプラズマに押し切られ、ダガーを放棄。シシが安全な所まで退避したので、距離を取り、4丁での射撃を浴びせる。

 アッシュレッグの脚による跳躍とジェット推進、それとプラズマ推進のハイブリッドで銃撃を避けながら迫りくるイヴ。やはり正面からの射撃戦では埒があかないか。第2陣の到着の事もある。あまり長引かせられない。


「メイリア、近接戦闘で勝てる自信は?」


「えへへ、わかって聞いてる、でしょ!」


「ふふ、バレたか」


 両手の銃をしまってイヴに急接近。ブレイドを起動して近接戦闘を仕掛ける。


「片腕の私なら勝てると思って?」


 メイリアのブレイドを器用に弾くが、次第に動作が追いつかなくなってきている。それはそうだ。片腕一本で四肢のブレイドを凌ぐのは無理がある。

 

 ましてやメイリアの光るセンスに経験が上乗せされた格闘技術。それを彼女の戦いを知り尽くした相棒たる俺が全力でサポートしているのだから。


 だから、負けるはずがない。


「なっ、なんで!動きは処理できる!予測できるのに!!くそっ、行け!サーヴァント!」


 イヴの背面腹部の目立たない様に増設された装甲が展開し、2基のブーメランが飛び立つのを観測した。

 今までは見えない様に出し入れしていたり、翼のようなチェーンソーが邪魔でどこから出てきているのか分かっていなかった。

 だが、飛び立つのが見えれば撃墜のタイミングは簡単だ。回転を始め、速度が出る前にサブアームの銃を向ける。が、瞬く間にブレイドで左右のライフルを斬られた。


「あらあら、残念!私の下僕に斬り刻まれなさい!」

 

「フィー、データ受け取ったぞ。任せろ!」


「しまっ……!」


 ラハラが左手のフィールドライフルで瞬時に撃ち落とした。

 エイティスリーのヤラレざまを見ていたので、近接戦闘をするにあたってブーメランは警戒していた。そして、ラハラには損傷した時点で、この時のために援護を控えてイヴの注意を引かないように伝達しておいた。


 ライフルを斬りつけた事で、完全にメイリアの動きに遅れを取ったイヴ。紅いブレイドではなくて蹴りを繰り出してきたが、こっちは脚のブレイドでそれを斬り払った。

 自棄になってコックピット目掛けて突き出されるイヴの左手をフィーリアの右手が掴み、プラズマパイルで左腕ごと吹き飛ばした。


「うああああ!!」


 悲鳴にも似た叫びを上げるイヴ。

 

「どうだ、俺達はお前の予測の上を行ってやったぜ」


「満足か、イヴ?もう戦いなんて終わりにしよう」


「ふざけるなっ!やっと手にした力なの!この力で今度は私が世界を蹂躪してやるんだ!」


「やっと本心で喋ったって感じだね」


「さっきシシちゃんに向かって新しいオモチャではしゃぐのは、って言ってたけど、それはイヴの方だよ。リヴァイブになる前に何があったのかは知らないけど、理由があって、さらにチャンスが訪れたとしても人の脅威になるような事はしちゃダメだよ」


「うるさい!……あは、あはは、そう。そうですよ。生まれ変わってからの私は運が味方しているのです。わかりますか?あの雲海の中を突き進んでいる炎の軍勢が」


 イヴが首で雲海の方を示した。茜色の雲の中をオレンジ色の光が進んで来ている。1つや2つではない。かなりの数だ。


「まさかこのタイミングで第2陣が来ちゃったの!?」

 

「みんな、さらにマズいぞ!要塞の熱量が上昇している!主砲はまだ死んでいなかったのか!」

 

「くそっ!ミスった!動力炉を破壊しておくべきだった!」


「うふふ、さあ、本格的な戦争が私の悪意によって始まるのです。私は拡大していく戦火をあの世で嘲笑って見ていますよ」


「イヴ、あなたを殺したりはしないよ。あと少し、言葉を紡げば考え直してくれる。私の勘がそう言ってる」


「えへへ、シシちゃんの勘なら信じられるね!」


 胸のペンダントを握りしめて、呼吸を整えてメイリアが再び口を開く。

 

「ねぇ、 フィア、私達ならあの砲撃を止められると思わない?」


「流石、俺の相棒だな。同じ事を考えていたよ」

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