それぞれの・・
会場の奥に通されたリカード・フウマ・ツキハ・ランスロッテ大会出場者は、赤い部屋・・赤い垂れ幕で覆われた部屋で待機する様言われた。これが・・大会出場者か・・褐色の肌の怪しげな魔術師のような男、中国服の様な戦闘服を着た武術家の様な青年、まだあどけなさを残す17歳くらいの騎士風のブロンド少年・・・そしてアガルダの腕に覚えがある侍達。意外と世界中から集まる割には、出場者が少ない。 リカード達を入れても一二人くらいだ。
この大会は特に褒美が出るわけでもなく、特に有名になるわけでもなく・・世界中に試合の様子が流されることはない。優勝すれば、名誉になるくらいだ。だから出場者は少ない。でも大会は格闘技を芸術と考える人達には、人気があった。傷つけ合ったり、殺し合う剣術大会ではなく、技の美しさや、凄さを競い合う大会なのだ。
「リカードさん、お久しぶりですね・・」 「お前はエルンスト!」
ブロンドの騎士風の少年が話しかけてきた。
「お前、どうしてここに?」
「帝国や騎士団には、内緒で来たんです 僕はこの地上の国で剣術大会があると、人づてに聞いて力を試してみたくてここにエントリーしたわけです。まだ僕はエスクワイア(騎士見習い)ですが」
「・・そうかそうか・・お前と戦う事になるかもしれないが・・白薔薇の騎士団の先輩として、負けるわけにはいかないぞ」
「ふふっ・・こちらこそ、です」
エルンストがニヤリと微笑んだ。
「ふふっ今日の為に新しい、ゴスロリ風の戦闘服を購入しておいて良かったですわ」
ランスロッテが、剣を構えた。
アガルダの絵師が、その姿を掛け軸に描いている
「綺麗に描いてくださいね・・絵師様」 「そのお美しい姿を描かせてもらい、とても光栄でございます」
老絵師がまぶしそうに、ランスロッテを見つめながら言った。
武術大会の出場者は女性はランスロッテ、ただ一人だけだった。
それも珍しいのだが・・赤い髪をした青い目の異国の美少女だ。 絵師は、その噂を聞きつけてランスロッテの絵を描きに来たのだ。
「のうツキハ、拙者緊張してきたでござるよ」
「?・・歴戦の猛者の兄者が・・なぜ」
サクラ兄弟が二人で、かたまって話をしている。
「アステル殿が拙者の戦う姿を見ていると思うと、ドキンドキンするでござる」
「はあ・・兄者の入れ込みぶりには呆れるばかりでござる」
それぞれの思いを含みながら、剣術大会が始まる!
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