デトレフの助言
こちらは、カタナの見本市・・沢山の鋭く、鈍い光沢を放つ刀がキレイに展示されている。デトレフはそれらの刀をコバルトブルーの瞳をまん丸く開き、子どものようにしげしげと見つめていた。
この人、刀に興味があるのか・・ずいぶん熱心に見てる。僕はデトレフに相談したい事があった。しかし・・なんか話しかけづらい。だが・・意を決して話しかけることにした。
「あの・・デトレフさん」 「な・なんだい?」
デトレフがいきなり話しかけられ、驚いた顔をして僕を見た。
「あのですねぇ デトレフさんが僕の立場だったなら、どうします?」
「どうってっ何を?」
「もしフブキが、いいえデトレフさんの好きな子が自分より強い相手に求婚されていて・・その強い相手が、大会で優勝しちゃって・・」
「ああっ君の立場だったらか・・」
デトレフは少しの間考えた後・・・。
「その相手に戦いを挑むよ・・でも、自分よりも強い奴だったとしたら」
「したら?」
僕はゴクンと唾を飲んだ。
「僕は・・その子を連れてここを逃げ出す
「えっ・・でも それって卑怯なんじゃ」
「自分の好きな子が他の相手に取られるくらいなら、それくらい平気さ・・ 女性が求婚を受けたとしてもそれを断れないなんて、このアガルダと言う国は間違っている・・僕の国じゃ、考えられないよ・・そんな事は」
「そうですか・・」
「スバル君もアステルさんと一諸に逃げろ」
「えっ」
「フウマさんが、もし優勝してしまったならば・・後は僕が何とかするからさあ」
「でも」
「いいのさ時には逃げることも必要さ・・解決できない事は、逃げるのが一番! さ」
そう言うデトレフの顔は優しさと誠実さに満ち溢れていた。
「そ・・そうですね・・確かに逃げることは時には、いいことかもしれませんね」
僕は少しだけ、重たい気持ちが軽くなったような気がした。そしてデトレフの優しさに感謝した。
「なんだ・・そんな事で悩んでいたのか、早く僕に相談してくれればいいのに」
「はい・・そうでしたよね・・早く相談すれば良かった」
「まあ・・リカードさんやランスロッテが優勝するかもしれないし・・あの二人は強い スバル君も安心していいんだよ」
デトレフが僕の背中をバンバン叩いた。・・ 少し痛かった。 でも・・デトレフの優しさと意外な頼もしさに・・感謝する僕だった。
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