あたたかい光
白い神殿、神聖な空気が漂う場所で、恐ろしい拷問が繰り広げられていた。
鞭打ち、焼印、殴る蹴るの暴力。仲間達が受難の時を迎えるなか、昴ネズミは 、その様子を、無表情で見ていた。仲間達が、どうなっても、その感情は冷たい。むしろ、フィオナやリカードの姿に、自分の両親の姿を見ていた。
いい気味だ。そんな風に思った。その時だった。
白い神殿の隅の所に二人、人影が現れた。その影は少し、ぽっちゃりとした女の子と背の高い筋骨隆々とした、男性に見えた。
正体は、ダリル・メイとセシリーだった。
セシリーは、白いリボンをブロンドの巻き毛に結び、白いレースに飾り付けた、ドレスを纏っている。
ダリル・メイの方は、白いマントと、赤い軍隊風の衣服を身に付け、剣を携えていた。
ダリル・メイは、おそらくは30代前半くらい、プラチナブロンドの短い髪と 鋭い光を放つ、紫色の瞳の大男だ。
ダリル・メイとセシリーは、無表情、冷たい目で、リカード達が拷問されているのを見ていた。
その目には、優しさも、あたたかさも、憐れみもなかった。
しかし、リカードは、セシリーの、存在に気がついてた。あたたかな光を放つ、娘の存在を。
地獄の様な苦しみの中で、 思わず、リカードは、微笑んだ。実の娘の姿に。一度は、棄てたに等しい我が娘。セシリー。
そして、亡き妻、マグダレーナに、似てきた事。娘の成長を心のなかで、祝福した。
そんな父親の想いも知らず、無表情のセシリーの瞳は、氷の様に冷たい。余りにも、残酷な父子の再会だった。
ダリル・メイが、にやりと笑いながら言った。
「哀れなものだ 玩具の父親 裏切り者はこうなる運命だ そして 無様に死んで行くのだ なあ、玩具 父君が死んで行くのを見るのは どんな気持ちだ」
セシリーは何も答えない。皮肉な笑い声、ダリル・メイの、笑い声だけが、乾いた風に乗り、美しい白い神殿に響いた。
これで、全ては終わるのだろうか…….
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