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紅の魔眼と白銀の刀  作者: 櫻庭空
Episode1
23/34

Episode.1 (part.22) 死闘


『只今から、第4の難関を始めます。』

 司会者の合図で勝ち残った5名の挑戦者がフィールドの前に集まった。

『今から全員にくじを引いて貰い、その番号で対戦カードを決めます。』

 そう言うと、司会者は箱を取り出して、1位から順に箱の中身のボールを取らせた。

『抽選の結果、第1試合は――――』


~試合~

 第1試合:朝倉悠徒VSベアル・アバティ

 第2試合:ガルモンド・スフェルVSバレンティーナ・リセ

 シード権:アルティベート


「いきなりあいつか・・・エリスの敵討ちしてやる!」

 悠徒は眼帯を外した。

「悠徒、無茶しないでね。」

 忍はそう言って悠徒を見送った。


『第1試合、朝倉悠徒選手VSベアル・アバティ選手。試合、開始!!』

 悠徒とアバティの戦いの火蓋を切った。

 先制を決めたのは悠徒だった。

 悠徒は1辺が20mの正方形のフィールドの全体にエアポケットを作った。

 アバティは風圧で地面にへばり付きそうな素振りを見せずに悠徒の方へと歩いて来た。

 悠徒は驚いたが、最後まで生き残った人だからと納得し、次の魔法の詠唱を始めた。

「子供だましの魔法で、俺を倒せると思うのか?この下等生物が!!」

 アバティは罵倒し、右手を悠徒の方に向けた瞬間、悠徒は場外に飛ばされた。

 だが、悠徒は眼帯を外した状態で試合をしていた為、間一髪の状態で迅風(ウィンディ)を発動させて空中で静止していた。

「何だ?あの技?」

『我には魔力の糸状の物が伸びているのが見えたが、その糸がお前さんに触れた瞬間、爆発的な魔力が流れ込んでお前さんを飛ばしたと見えた。』

「厄介な。俺には全く見えなかったぞ!一応は、魔力を見る力は具わってるのに・・・」

索敵(スナイパー)でないと見えない高度な魔法で作られた糸なんだろう?我は全ての眼の力が使えるので見えるだけだ。ほれ、次が来るぞ。ちんたらしてると負けてしまうぞ!』

 紅がアドバイス兼、意地悪を言うと悠徒は軽く頷き、神経を肉体に接続し直すと目の前にアバティが叩き落すようなポーズでいた。

 悠徒はドキっとしたが、迅風の能力で空中を滑るように移動してアバティの攻撃範囲外に逃げた。

「危なかった・・・紅!後で覚えてろよ。」

 悠徒はそう言いながらカラーチェンジを行い、索敵にした。

 索敵に眼を変えた悠徒は、アバティの出した糸がフィールドの半分近くを覆っており、悠徒の目の前まで広がって来ていた。

「ひゃっは~!お前は俺の攻撃からは逃れないぜ!」

 アバティは両手を伸ばした瞬間、悠徒の周りに魔力の糸が囲んで悠徒の身動きが取れなくなった。

「絶体絶命のピ~ンチじゃないのか?」

 アバティは両手を交差した瞬間、魔力の糸が悠徒に襲い掛かった。


『おおっと、悠徒選手、アバティの技によって身動きが取れない状態に陥った~!だがしか~し、悠徒選手も一筋縄では行かなかった~。』

 悠徒は索敵の能力をフルに使い、アバティの魔力の糸が1本1本見えていたので、身体能力を最大限に発揮して糸に当たらないように回避して攻撃範囲から脱出した。

「手前の攻撃は分かったぜ!魔力で造った糸を使ってるんだろ?」

 悠徒はそう言って右手を出して、ビシッと人差し指を付き立てた。

 アバティは一瞬驚いた顔をしたが、ニヤリと笑った。

「ハッ、ハッ、ハ~!!そんな事に気付いても俺の攻撃がこれだけだと思ったのか?お前は馬鹿か?」

 アバティはフィールドに広げていた魔力の糸を仕舞った。

 そして、アバティはローブの中に手を入れて何かを掴むと、それをローブの中から出した。

「これはなぁ、対魔法師用の魔力弾が入った銃だ!その意味が分かるよな?お前みたいな魔法師を殺すために作られた銃って事だよ!」

 アバティは悠徒に銃口を突き付けて撃ち続けた。

 悠徒は紙一重で避けたが、銃撃が止むのは無かった。

「銃弾が無くなる事は無いぞ!これは俺の魔法倉庫から転移で装填してるから弾が切れるのは倉庫の銃弾が無くなるまでだ!ちなみに言うと、俺の倉庫に在る弾数は98341745発あるんだぜ!」

「マジか!じゃあ、銃を破壊すれば終わりって事だ。」

 悠徒は右手のブレスレットを刀に変えてアバティの銃撃を全て弾き飛ばした。

 悠徒はじりじりとアバティとの距離を縮め、残り5mまで距離を縮めた。

「ちぃ、こいつ!小賢しい!」

 アバティはそう言いながらもう片方の手をローブの中に手を引っ込めた。

「また、戦法を変えるのか?」

 悠徒は余裕の表情を言いながら銃撃を弾き続けた。

 悠徒の表情を見てアバティはにんまりと笑った。

「てめぇは馬鹿だな!そんな余裕の表情をしてるのも今の内だぞ?」

 アバティはローブから出した物は、2丁の銃剣であった。

 アバティは使っていた銃を捨てると銃剣を持って悠徒に突撃した。

 悠徒は意表を突かれ、硬直状態に一瞬陥ったが、アバティの攻撃はそれよりも早くに来ることは無かった。

 だが、悠徒が目の前にいるはずのアバティはいなかった。

「お前は遅すぎるんだよ!」

 アバティは悠徒の後ろ(・・)2mの所で銃剣を首に当てながら退屈そうにいた。

「何時の間にそこに行ったんだ?」

 悠徒が質問するが、アバティは答えなかった。

 だが、アバティは悠徒に一言だけ、こう言った。

「お前は俺に10回斬られてるぜ?」

 アバティの言葉は悠徒を驚愕させた。

 だが、驚愕する前に斬られたという認識が襲い掛かり、悠徒は斬られた痛みで倒れそうになったが、ギリギリの所で態勢を整えた。


『格が違いすぎる。我の力を解放しない限り、お前さんには勝機が無い。』

『力の解放って、何のことだ?今までのが100%の力じゃないのか?』

『お前さんのつがいが危機の時、お前さんは死にかけたのは知っておるな?』

『死にかけたのかは知らないが、忍はそう言っていたな。』

 悠徒はそう言い、(ついでに『忍は俺の彼女ではないぞ!』と付け足して)

『その時にお前さんがモンスターを撃退したのは憶えているか?』

 悠徒は紅の発言に驚いたが、記憶の隅っこにおぼろげながらそんな事があったという感じになぜだか憶えていた。

『その顔は一応は記憶にあるって顔だな。それで、お前さんはその時に我の力の解放を使い、モンスターを倒したのだ。』

『じゃあ、解放方法は知ってるのだな?』

 悠徒は神妙になって紅の答えを待ち構えていたが、紅の回答は最悪だった。

『忍という女とキスをしたのだよ。』

 悠徒は紅の爆弾発言で念話が途切れ、悠徒は戦場へと舞い戻った。


 悠徒は刀を構え直し、そして、紅への魔力供給を倍にした状態でアバティに攻撃をしようとしたが、斬った瞬間、アバティが陽炎のように消えて、体に激痛が襲いかかった。

「鈍い!鈍すぎる!お前は蚊か?ブンブン五月蠅いだけの野郎か?」

 アバティはそう言いながら、悠徒に連続攻撃をお見舞いした。

 悠徒の意識が朦朧としてきた時、ディヴァルとの戦いで行った秘策を実行した。

 悠徒は思考を切り替えて、悠徒の意識と紅の意識、2つの意識を1つの脳で行う荒業を実行した。

 紅が所有しているすべての力を厳選した能力でアバティに攻撃を挑み、悠徒は魔法詠唱で援護射撃を行った。

 アバティは最初は余裕な表情で回避していたが、悠徒との戦闘スタイルが違って紅のスタイルが暇の無い攻撃だったので、アバティは防御を余儀無くする羽目になり、最終的に防御できずに紅の攻撃を喰らい、そして、悠徒の援護射撃も当たり、アバティは膝を着いた。

 悠徒はとどめの一撃を与えようとしたが、紅が悠徒を制止させた。

 悠徒は紅に怒鳴ろうとした時だった。

 アバティは高笑いしたと思ったら、いきなり悠徒の体は後方3mほど飛ばされた。

「流石、紅とその所有者。お前たちは凄い。だがな、俺に勝ったとしても、まだ上がたくさんいる事にせいぜい気を付けるんだな!」

 アバティは悠徒にそう言い捨てると、アバティの周りに竜巻が出来たと思ったら、アバティは姿を消して、悠徒の勝利宣言が聞こえた。


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