主人公のしようとしたギャグはおもしろいとつまらないの中間らへんのやつです(俺は好きだよ佐藤くん)
「俺か?俺は今のところ…」
ポーン
佐藤の言おうとしていた台詞を遮り、突如として、電車内にアナウンス音が響く。
「次は針山ー、針山ー。針山で十分ほど停車いたします。お降りのお客様は忘れ物にお気をつけ下さい」
針山…
皆がすこしの静寂の後ざわつき始めた
「針山?」
「針山ってなんだっけ?」
「あれだろ、針がなんかいっぱいあるみたいな」
佐藤たちも例外ではなく
「針山?だってよ!どうするこんなこと初めてだぜ」
「そりゃ全員そうでしょ。慌ててもしょうがないじゃない。」
「でも、降りるかどうかくらいは決めとかねぇと」
二人とも焦って、口数が増えている。このままだと、悪い方向にしかいかないはずだ。とりあえずここは俺が落ち着いたひと言を…
「いきます。一発ギャ…」
「みんな、少し落ち着かないか」
ーー誰だよ。俺の渾身のギャグを遮ったやつは。
佐藤たち三人も含め、乗客全員の視線がその一言によりある男に集まった。
「皆が慌てるのもわかる。私もそうだ。だが今するのは慌てることではない。そうだろう?一回落ち着いて皆で話し合わないか?」
ほとんどがその男の言葉に静かに了承した。
しかし、俺はその姿に、目を大きく見開いた。
ーー滝沢…先輩…?
「…よし、それではまず、私の名前は滝沢という者だ。よろしく頼む。早速だが、今分かっていることだが、ここは死後の世界ということ。先程、佐々木さんなる人が言っていた暴力禁止。そして、ゲームにより相手を殺すことができる。あと、」
「おい、なに私達の会話を盗み聞きしてんだよ」
「すまない、聞こえてしまい。聞かなかったことにしようとしたんだが、緊急時につき、申し訳ないが活用させていただきたい。契約というのは後ほど話そう」
「…チッ」
「話を戻すが、一番重要なのが針山という場所に一定時間止まること。そして、私たちには降りる権利と降りない権利がありそうだということ」
ーーそんなこと、今の俺にはどうでもいいことだ。
滝沢先輩がなぜここに?死んだのか?
佐藤は目の前の現実を処理しきれず、しばらく固まっていた。
「おい。どうしたんだよ。急に固まって」
加藤が佐藤の肩を揺らした
「あ、ああ。すまない。少し動揺していた」
「まあ、無理もねえよな。こんな状況、困惑しない方が不思議なくらいさ。滝沢とか佐々木が少しおかしいだけだよ」
「すまない……ありがとう」
「いいってことよ」
ーー加藤のおかげだ。少し正気が戻った
佐藤の動揺はまだ消えていない。だが加藤の言葉により、思考を取り戻していた。
ーーそうだった。今、一番重要なのは、針山がどういう場所で、降りるか降りないか。皆がどうするのか、だ。
佐藤の思考の間に話は進み、滝沢が話している最中だった。
「私は皆で一塊になって動いた方がいいと思うのだが、どうだろうか」
まあ、それが妥当か…皆もそう思っているのか頷いているのが何人かいるのが分かった。
「俺は反対だぜ」
「ほう。君は?」
「俺は木村っつうもんだ。俺はその意見に反対だ。皆で一塊になるってのはあまりにリスクがデカすぎる。針山が一瞬で死ぬようなところだったらどうすんだ」
「ああ、そんなことか。安心してくれ、私が先行して様子を見てこよう。私が言い出しっぺだしね。そして、針山の安全が確保されたのち、皆で降りる。もちろん、降りたくない者は降りなくてもいい。これでどうだい?」
男…木村は少しキョトンとしてからニヤリと笑った。
「いいぜ、それなら。お前、意外と根性あるんだな」
「どうも」
ーーやはり滝沢先輩だ…
そうして、皆の意見が一致して数分後、電車は針山という駅に到着した。
針山ー、針山です。お降りのお客様は忘れ物にご注意下さい。
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次話での変更によってこっちも文章を変更しました




