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第50話 始球式
結城は思っていた。
午後5時30分、両チームのメンバー発表が行われた。
「1番ショート石井。」ウグイス嬢が言った。
横浜ジャガーズの1番打者だ。
「いしい、いしい。」ジャガーズファンから声援が聞こえた。
5時45分、和歌山ウルフズの9人がグランドのある下まで降りた。
「いやあ、緊張するな。」キャッチャー田村が言った。
「プロから空振り取れよ。」
江藤監督が岸田に言った。
「はい。」
・・・始球式ってそういうものじゃないのか。・・・岸田は思った。
球場は活気に満ちていた。
プレイボールが近づく間、球場のざわめきは大きくなっていった。
「本日の始球式はシニアリトル和歌山ウルフズのみなさんです。」
拍手が起こる。
和歌山ウルフズのナインがグランドに走っていった。
「投手はシニアリトル和歌山ウルフズの岸田永治くんです。」
また拍手が起こる。
岸田は帽子を取った。
審判からボールをもらう。




