第二十一話
「でも、俺たちが目指しているのは・・・。」結城が言う。
「日本1。」岸田が言った。
日が落ちた頃、岸田家族は帰宅した。夕食後、彼は勉強をした。彼は勉強もそれほど嫌いではない。定期テストでも1教科78点平均という、比較的高い数字をだしていた。
岸田と結城が通う学校は小規模校であった。
勉強を終えると、今度はスポーツマッサージの本を取り出す。やはり、自己管理が良くできる彼である。
クラスでも、野球ができて頭もよく、しっかりした人として人気があった。
・・・明日も早いな。
岸田は床についた。
中2の1月その2
「野球で日本1。」
1月1日元旦。千葉。
相馬信は神社で売っている木の板に自分の今年の目標を書いた。
隣ではプロの野球選手である兄、登も同じように目標を書いていた。
「1軍定着。」
「2人共今年は勝負の年ね。」
母が2人の目標を見て言った。
「俺は今年でこのチーム最後だから、必ず日本1を取るよ。」信は言った。
今年の10月、東京ラビットズカップに出場し優勝すること。そして憧れのラビットズドームでプレーしたい、それが信の夢だった。
「この日本1ってラビットズカップのことだろ。俺も出たことはあるけどな。」
登は千葉ライアンのOBである。そのとき千葉ライアンはラビットズカップに出場、ベスト8まで上りつめた。
「信も頑張れよ。」
「分かってる。兄貴こそ、この人ごみで気づかれるように有名になれよ。」
「そうだな。」
2人は願いを込めた。
そのころ中村孝は家で雑煮を食べていた。中村家では元旦の午前0時に神社に参拝することが恒例となっていた。
テレビでは新春の番組がやっていた。
「あけましておめでとうございます。」
テレビのMCが言う。
「確か、ニューイーヤー駅伝やっているよな。」中村の父が言った。
「えー、このままでいいよ。」真樹が言う。
企業の人たち、プロが走るマラソンである。
「プロか。」
中村はつぶやいた。
今年は中村にとっても大切な年になる。中学生最後の大会もある。そこで結果を出せばその先の進路もより広くなってくるだろう。相馬とのエース対決もある。1番をつけてこれからも投げていきたい。でもまあ、休息も必要だろう。徹夜して中村は眠くなってきたようだ。
「じゃあ、俺少し寝るから。」




