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リセマラ七日目

だいぶ間が空いてしまいました。定期投稿がんばりますのでブクマおねがいします!

 僕らはいま、村から少し離れた森の中を二人で歩いていた。

 「ねぇティア。僕らはどこに向かっているの?」

 僕の問いかけにティアは歩みを止めて呆れ顔で振り返る。

 「フィリス、あんた・・・どこに行くかもわからずに歩いてたの?」

 「う・・・うん。」

 「分かってると思って説明しなかった私も悪かったわ。私たちがいま向かっているのは、バザナよ。」

 やれやれという感じで肩をすくめながらティアは行き先を教えてくれる。

 「バザナって、ギルド支部がある隣街の?」

 バザナには、討伐や採取といった仕事の依頼の斡旋や素材の買取など、冒険者たちを取りまとめる「ギルド」の支部がある。

 「そうよ。フィリスは冒険者になりたいんでしょ?じゃあまずはそこで冒険者として登録しなきゃ。」

 「そうだけど、冒険者になることがお父さんたちを見つけることにつながるの?」

 「冒険者になればギルドの情報網を使えるし情報を集めやすくなるわ。それにゆくゆくは危険区域に入るためにも冒険者としてのランクが必要だしね。」

 ギルドには普段の生活を送る中では知り得ないような情報がたくさんあつまるが、金銭を支払えばそれらを知ることができる。また、自然環境や生息する生物などを鑑みて土地には危険度がつけられており、それらの地域に立ち入るには冒険者として一定の評価を受けている必要がある。ティアたちの親は有名な冒険者であったことから、最後に向かったのが危険区域であるとも限らないとティアは考えたのであろう。

 ティアは当面の方針を示すと前へと向き直り、また歩きはじめる。

 僕は、ティアが色々と考えた上で旅へとついてきてくれたことを心強く思うと同時に、何の準備や考えも持たずに村を出たことがなんだか恥ずかしくなってきた。

 そこで二人の会話は途切れ、二人してしばらく黙々と歩みを進めた。段々と森が深まってきたところで、僕はあることに気づいた。

 「ねぇティア。バザナって、確か馬車でも半日かかるって聞いたことがあるんだけど、途中で乗るのかな?」

 「馬車なんて準備してないわ。」

 僕の問いかけにティアははっきりと答える。

 「え、じゃあこのままゆっくり歩いていくの?」

 「そんなわけ無いでしょ。このままゆっくり歩いていたら夜になっちゃうし、モンスターに襲われる危険も増すわ。」

 「じゃあどうするの?」

 「あなたよ、あなた!」

 「僕?」

 僕は答えの意味がわからずに首を傾げる。

 「そう!あなたのスキルを有効に使うの。フィリスが持ってるスキルに『スタミナアップ』『スピーディー』『ビルドアップ』とかいろーんなバフスキルがあったでしょ?」

 「うん」

 「それを重ねがけして・・・走るわ。」

 「ぶっ!?走るの!?」

 ティアからの予想だにしない回答に思わず吹き出してしまった。

 「神官なのに、意外にも考え方が脳筋だね。」 

 「だまらっしゃい。あなたがスキルを使っているところが目立たないように、森が深くなるところまで歩いてきたんだから。同属性のバフの複数重ねがけなんて大人数のパーティ組まないとホントはできない荒業だけど、フィリスなら一人でなんとかなっちゃうのよね。」

 「そんなので馬並に速く走れるかなぁ、野宿はやだよ?」

 「ものは試しよ。やってみましょ?」

「仕方ない、馬車がないんじゃやるしかないね」

 僕はスキルブックを広げ、その中から移動スピードや筋力などが上がるものを見繕う。

 「『スタミナアップ』『スビーディ』『ビルドアップ』『風の祝福ウィンドブレス』『ライトウェイト』『レッグスイフト』『アンチグラビティ』・・・『リッチタフネス』」

 大体30くらいのバフスキルを唱えたと思う。体は羽のように軽くなり、確かにこれならば馬車並みとまではいかなくても、それなりのスピードがでるのではないかと思えた。

 「ありがとうフィリス。じゃあさっそく試してみようかしらぁぁぁぁぁぁァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛゛アア゛〜〜〜!!!」

 ティアが軽く駆け出したと思ったら、もう100mほど先のところまで進んでおり、その姿はみるみる遠ざかっていく。

 「やりすぎたかな」

 でも彼女のことだからなんとかコントロールするだろう。

 「じゃあ僕も追いかけるかなっとぅぁぁぁぁァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛〜!!!」

 後にバザナとコヤット村の間の森で、叫び声をあげながら猛スピードで移動する生き物がでるという噂がたったことを二人が知るのはまた少し先の話。

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