ツシジノ01ドーコ ←
ツシジノ01ドーコ ←
夕日が差し込む窓辺に腰掛けて、俺はある言葉を呟いた。
「狩れ」
これは仕事を言い渡したコード03……白い死神に言われた言葉だ。
たった2文字でも、それだけでも、俺達にとってはこのぐらいの仕事量を示すのだ。
「( )!」
「降りてらっしゃい!」
また名前を呼ばれた。
俺は返事をして階段を下りる。
この人達にとったら、今の俺は本物の( )なんだ。
それに気付くのに遠回りをしすぎたな。
確かに俺にはこの空白は埋められないけど、きっと誰かが埋めてくれる。
家族じゃないからなんて、悲観に思うのはもうやめよう。
「俺はここで生きて、誰かの笑顔を守って」
「普通に生活できる、世界を作りたいんだ」
たとえ、俺が偽物でも。
俺が偽物でいる事でそれを守れるのなら。
俺が普通じゃない事でそれが維持できるなら。
俺はその道を選びたい。 【誰カニ合ワセタ普通ジャナクテモイインダ】
俺は振り返った。
そして階段の上をじっと見る。
そこにはいつも通り空間しかないけど、空虚でしかないけど。
いつもと違って妙に清々しい。
「お前はもういないけれど、俺がお前になってもいいのか?」
俺の異能力を使わなくても、その答えは確かに聞こえた。
今の今まで皮肉であったり、恨みであったり、憐みであったり、そんな事を言われ続けた相手がこう言った。
「俺が俺にとって普通でいるならそれでいい」
「人間らしくなくてもいい、死神らしくそこに在れ」
今回出会った「漂うもの」が俺に与えた影響は大きかったのかもしれない。
何がきっかけかはわからないが、俺は確かに死神でもいいのだと思えた。
なぜだかわからないけど、今日は少し長く両親と話してみようかなんて、思えてしまったのだ。




