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追放騎士と銃装ゴブリン傭兵団  〜聖女とはじめる辺境の永世中立国〜  作者: ふろんちあ
宿場町の章

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第五十九話 柘榴石の価値

柘榴石(ガーネット)の具体的な価値ですか?」


「うむ。どんな物が高く、どれぐらい価値があるのか教えてほしい」


フーガ商会の両替所に柘榴石を持ってやって来たヴィクトル。


「ううん……ヤクール族から買い取ってはいますが、私どもも専門家ではないので、結構当たり外れがあるんですよ」


「そうなのか? 当たりの基準は?」


「基本的には大きさ、透明度、色の3点です。何れも素晴らしい物が宝石になる価値があります」


「ふむ。色は赤色以外にあるのか?」


「赤が殆どですが、オレンジや緑もありますよ。その方が価値が高いです」


「なるほど。大きさはどれぐらいだ?」


「大きいに越したことはないですが、透明度が高くて、色艶の良い部分の大きさで決まります」


「ふむふむ。全部揃わないとダメなのか」


「小さいのは結構見つかりますからね。研磨剤になるので無価値ではないですが。あと大きな母石はそれはそれで価値があります」


「母石?」


「名前の通り、柘榴みたいに沢山原石がついてる石です。そのまま鑑賞用にされます」


あんなふうに、と両替屋が指差した方向に、沢山の柘榴石がへばりついた岩石が置かれていた。


「なるほど? ああいうのでいくらになるんだ」


「金貨一枚しない程度。普通サイズの磨けば光る宝石もそれぐらいでしょう。原石ならその4割……5銀貨ぐらい。まぁ細工師の腕次第ですが」


「なるほど、そういうものか」


――


柘榴石を探しにやって来たモンフェランの川。上流ではもう石橋建設が始まっている。


「よーし、早速探してみよう」


「ギーハー!」


「なんで私まで……」


山ゴブリンに混じって嘆息するアイナ。


「なんか暇そうだったから」


「楽しみですね、リア様!」


「うん! 綺麗な石見つけたいね」


ハイキング気分でついてきてる麦わら帽子の二人。フェルディナとイセリア様。 


ゴッズのおかげでフェルディナにも休息日が出来たので、早速仲良くお出かけと言うわけだ。


「とりあえず最初は川辺で探そう。山ゴブリンは川底の砂利から探してみてくれ」


いわゆる砂金方式だが、柘榴石は固くて重いのでこうやって探すと良いらしい。


「ギー!」


山ゴブリンが川辺の石を指し示した。


「あ、あったあった!」


「ホントだ、流石リア様!」


「ギー……」


「よしよし、お前が見つけたんだよな」


山ゴブリンを慰めつつ、発見した柘榴石を眺める。手ごろなサイズの石に、小さな赤い石が柘榴のように付いている。


「ふむ……数は多いが露出してる部分はちょっと濁ってるな。割ってみますか?」


「やりましょ!」


「では私が……」


――カキーン、カキーン


ハンマーと杭で石を割ってみるが、中は普通に石だった。


「残念……」


「ま、そううまくはいかないか」


「ギハー!」


山ゴブリンがキラキラ光る赤い石を手に川から上がってきた。


「お、これはきれいな粒だな」


「わぁ、透き通ってて綺麗ね」


「ギー」


「よしよし、ヤクーミルクをやろう」


嬉しそうにミルクを受け取る山ゴブリン。


「一銅貨もしないミルクで宝石を買い取るなんて……」


「リア様、あれが労働搾取のリアルですわ」


「いや……コイツラはそもそも俺が養ってるから……」


この二人一緒だとなんかやりづらいな。フェルディナもちょっとお茶目になってる。


その後も柘榴石を探し、何個か小粒のものを拾った辺りでイセリア様が満足し、二人は帰っていった。


「ヴィクトル様はまだ探されるんです?」


「あぁ、本命は此処からだ。アイナ……上流に行くぞ」


「橋の辺りで?」


「いや、その上だ。透明度の高い石が川底で見つかるということは、もっと上から転がって来たんだろう」


「なるほど……つまり」


「鉱床は、川上のどこかだ」


川上に向かって歩き、日が傾き始める頃、山ゴブリンが柘榴石を見つけ始めた。


「結構険しい道だったが、この辺りが鉱床か?」


「そのようですね、見てください。大きな岩にくっついてますよ」


「ふむ……見た感じ取り放題だが、デカ過ぎて削るのが手間だな」


いくら露天掘りで採取できても、山ゴブリンに削岩は難しい。川拾いの方が良さそうだな。


「透明なのもありますね」


「む……?」


「ほら、岩からニョキって飛び出てます。形的に水晶かな?」


「魔素を通してみればわかる」


火の魔素を水晶の原石に込める。赤く灯りじんわりと暖かさがこもる。


「間違いない、水晶だ。これは当たりだぞ」


「柘榴石より実用的ですね!」


「ああ、最高のインテリアだ」


――水晶(クリスタル)


自然由来の魔素を溜め込む魔石と違い、外部からの魔素を溜め込む性質を持つ結晶体。


火の魔素は暖と灯り。水の魔素は冷気。風の魔素は風の通り道や風防結界を作るのに使われる。


教会にも良く飾ってあるので、治癒の光とかを込める事が出来るのだろう。


何にせよ、宝石と違って実用性の塊だ。採掘資源としては申し分ない。


「とは言え……申し分なさ過ぎて、これは利権が絡むな」


水晶と柘榴石の鉱床から川を見下ろす。


川下ではフランツとアルゴス・シュタットの石工ギルドが力を合わせて石橋を建設していた。


周辺で石材を採取している彼らならもう、気づき始めていることだろう。


モンフェランには、水晶(おたから)が眠っていると。

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