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「パラボラパンデミック」  作者: ののむらハル
第二章 救出編
14/21

第十四話「母」





…お姉ちゃん



…助けて









「…ゆうとっ⁉︎」



…あっあれ夢?



周りを見ると、たくさんのモニター画面と

キーボードがあった




そうだ…私、レオに助けられて

レオのお家にいたんだ…




目の前のモニター画面にはゲームオーバーの文字が






ゆうと…、お母さん…


ごめんね





必ず助けに行くから…







「ナナ、起きたか?」

後ろからレオが声をかける




「うん、レオごめんね、私寝てたみたい…」

ナナの肩には暖かいカーディガンがかけられていた





レオがかけてくれたんだ…






「スッキリしたか?」




「うん…」

冴えない表情で返事をする





みんなを助けないと…


スッキリなんてしないよ




「まだスッキリしてないみたいだな…?よし!行くか!」



「えっ?」



「お前の家族探しに行くぞ」




時計を見ると、朝の6時06分だった




「うん、行こう!」








急いで準備をして車に乗り込む




ブルルルンッ…

車にエンジンが着く




「とりあえず人が少ない道から行くけど、何か場所の手がかりはないのか?」





「うーん…、もぅ一度式場を調べたい」

式場は一つの部屋しか見てないし…





「わかった、大丈夫か?」


「へっ?」


「これから町に行く、前みたいな死体がいっぱい転がってるかもしれないんだぞ」




そうだね

正直怖い…

もしお母さん達があんななってたら…



私…




「大丈夫!それよりも早く助けないと」



車は走り出す


「とりあえず式場だった神森会館に向かう!」


「はい!」






…町はどうなってるんだろ


自衛隊とか来てくれてるのかな…




外を眺めると林や田んぼが続く




田んぼで作業をしてるお爺さんがいた




「あの人、大丈夫なのかな?」


ナナはお爺さんを見ながらレオに話しかける




「ここらへん田舎だからヤツらも来てないんじゃないか…?


レオも不思議そうにお爺さんを見ていた







車は、しばらく進む




「そろそろ町に入る、気を抜くな」


「うん」



田舎の道から住宅街へ入る





「…人はいないけど、何も変わった様子はないね…?」

荒らされた様子はなかった




まだ町の端っこだからかなぁ…




「神森会館へちょっと遠回りだが、人が少ない道を行くぞ」




住宅街を過ぎると林の中に大きな建物が見える



ナナは窓から建物をじっと見ていた






…懐かしいなぁ

総合体育武道会館


よく弓道の練習や試合はここでしたっけ…





ナナは視線を前に戻す

「なっ!何これ…」




車やトラックが道路に散乱し

悲惨な状況となっていた








「おいっ!ナナ!あれを見ろ!」


レオの視線の先には横転したバスがあった



バスには『神森会館』






神森会館のバス!





二人は周囲を確認し

静かに車を止める






「ヤツらはいない…、ナナ俺が見てくる、ヤツらが来ないか見ていてくれ」




「いや!私も行く!」

そう言うとナナは車から降りる



もぅ逃げたらダメだ…

私がお母さんとゆうとを探さなきゃ




「おっ!おい!大丈夫なのか?!」

レオも車から降りる



「うん!大丈夫」



「…たく」



二人はバスに近づく




変な方向に曲がった死体が数体あった




うっ…




ナナは息を飲む




「大丈夫か?」

レオは心配そうにナナを見つめる



「…だっ大丈夫」



ナナは勇気を振り絞り死体の顔を確認していく




違う…


お母さんじゃない


良かった…






「…おい、ナナ…」


レオは表情を曇らせナナを呼ぶ



「えっ?何?」



「ナナ…落ち着いて聞いてくれ」

ナナを見つめる





…レオ

まさか…





「お前のお母さんらしき人がいる…」




レオの後ろには

ホクロがついた左手が見えた







…ウソ



ウソよ…!





地面に横たわった女性の死体は

黒髪を後ろでまとめ、喪服に身を包んだ母だった





「……っ!」



ナナは言葉が出ず

座りこむ





「…っ!うぅ…」

涙が出てきた




レオはハンカチを出し

ナナの涙を拭くと無言で抱きしめた







お母さん…!


ごめんね!


ごめんね!







「………

ナナちゃんか…?」




バスの奥から聞き覚えのある声が聞こえる




「叔父さん…?」




声の先には衰弱した、叔父がいた




「叔父さん!しっかりして!」



「ナナちゃん…、ごめんよ…、私は誰も守ってやれなかった…」



ナナは首を横に振る



「優斗君を頼む…」



「!!」



叔父はそう言うと遠くを指差した




「叔父さん!ゆうとは無事なのっ⁉︎」




ナナが質問すると、叔父はすべての力が抜けたように横に倒れていった




「叔父さんっ!しっかりして!叔父さん!!」


叔父は身体を揺するが起きない



レオは叔父の脈を取り、俯きながら首を振る



「そんな…」



涙が止まらず下を向く




!!っ




ナナの目戦の先には懐かしい物が




「これ…ゆうとのだ!」



叔父の足には戦隊もののハンカチが被せられていた






ゆうと…





「レオ行こう!ゆうとが待ってる」

ナナはハンカチを取り、握りしめる



「ゆうとってお前の弟か?」




「うん」




叔父が指差した場所を見る




小さい建物と大きな建物が見えた




…きっと、ゆうとはあそこだ!





ナナは体育武道館を見つめる





✳︎つづく✳︎

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