24 おにぎりとしんちゃん
桐子は
「今晩は。桐山さん、今夜は沙耶香さんがいるのにどうして私を呼んだんですか。沙耶香さんを呼んであげてください」
「桐子さんは僕と話したくないの?」
「いえ、そういうわけじゃないけど、でもあなたは沙耶香さんのお客さんでしょ」
「そんなこと、決まってないよ。僕はお客だ。いろんな女の子と楽しく話をしたいと思ってきているんだからね。
そうだ、桐子ちゃんはクイズが好きだったね。じゃ、おにぎりクイズを出すね」
「おにぎりクイズ?」
「新聞に出ていたんだけど、おにぎりの具に関するあるアンケート調査があってね。ランキング1位はなんでしょう?」
「そうね。私は個人的には高菜と明太子が好きなんだけど、多分ランキング上位じゃないわよね」
「高菜は11位だけど、明太子はいい線行ってて4位だよ」
「じゃ、おかか?」
「おかかは5位だよ」
「あっ、分かった。梅干し! 正解でしょ?」
「惜しい。梅干は2位なんだよね」
「えっ、そうなんだ? うーん、シャケ?」
「正解。じゃ、女の子ドリンク頼んでいいよ」
「やったー。カシスサワー頼むわね。なんか、正解すると女の子ドリンクご馳走してもらえるっていいわね。燃えるわ」
「それはよかった」
「ねえ、おにぎりクイズ楽しかったけど、やっぱりいつものお願い。現実を忘れたいの」
「そう? じゃね、アニメで『クレヨンしんちゃん』てあるでしょ」
「あっ、何度か見たことあるわ」
「好き?」
「まあ、面白いとは思うけど。それで」
「子供たちに人気があるらしいけど、時々エッチな場面があるでしょ。だから母親の中にはあの番組を見せないっていう人も少なからずいるらしいよ。
ドラえもんとかだったら、たまにしずかちゃんの下着がチラッと見えるくらいだけど、しんちゃんの場合は結構エッチ度が高いからね」
「それで、クイズは?」
「確かお父さんはひろしさん、お母さんはみさえさんだったよね。ある日3人でプールへ行ったんだ。いろんな形式のあるプールへ。滑り台みたいに滑るスライダープールとかあるやつ。
で、3人は造波プールへ行ったんだ。ほら、人工的に波が起きて海みたいな気分が味わえるやつ。
3人は波に乗ったりして楽しんでいるうちにはぐれちゃったんだ。そしてひろしさんとしんちゃんは会えたんだけど、みさえさんが見つからなくて、二人はプールの隅々まで目を凝らして彼女を探すんだけど、なかなか見つからない。
するとやや離れた所にいたみさえさんが、二人よりも先に二人を見つけて嬉しさのあまり笑顔で両手を挙げて
『しんちゃーん、ひろしさーん』って呼ぶんだ。
その声を聞いて二人はみさえさんを見出すんだけど、両手を挙げて叫んでいるみさえさんを見て、二人は愕然とするんだ。
特にひろしさんのショックは大きかったんだ。どうしてでしょう?」
「えっ、3人は会えたんでしょう?どうしてショックを受けるのかなあ」
桐子はひとしきり考えたが、さっぱり分からなかった。
「降参するわ。全然分からないわ」
「ヒント出すね。みさえさんは新しく買ったばかりのビキニを着けて超ご機嫌だったんだよね」
「ビキニをねえ」
「そこに波が押し寄せるということは?」
「えっ、まさか、ポロリ?」
「近いけど、世の中そんな甘いもんじゃないよ」
「まさか? 波のせいでビキニが外れて流されちゃったとか?」
「そう。しかも本人はそのことに全く気づかないで両手を振っていたということは?」
「キャー!」




