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※17◇一人ではない

※かなり間が空いての投稿となりました_(._.)_

 ユリア王女のアデライト王国への輿入れも正式に決まり準備は着々と進んでいる。

 ガルーダがすんなりと転移者である「外から来た者」のユリアを他国へ出す事を許したことに驚いたが、条件としてはアデライトへ行ってユリア王女が発明したものは祖国と共有すると云うものだったと聞けば納得がいった。

 ガルーダには魔力が浸透していない。その為今までユリアが提案してそれを作り上げる技術に乏しく、魔力を使った魔法でしか作りえないものが多々あった。アデライトは同じ聖女信仰の元、魔力も十分に生かされている国であるから要は「案はあげるから作ってこっちに頂戴」と云う事らしい。

 唯一ユリアを可愛がっていた王妃は嘆き悲しんでいたらしいが。


◇◇◇


 デオドールから話を聞いたその夜は興奮してなかなか寝付けなかった。


 自分は七才のジュリアンナに転生して12年が経ち昨日19歳になった。

 中身の杏とすれば前世の年齢20+12年=32歳。だけどこっちの1年はあちらの10年と神が言っていたという事は日本でそのまま生きていたら20+120年=140歳?

 ユリアは15歳でこちらへ転生して来て10年だから現在そのまま25歳だけど、15+100年=115歳。


 ひょえ~~~~~~!!!


 恐ろしいことが判ってしまったわ・・・

 

 彼女はこの時の流れの違いを知らないのよね・・・?

 んーなら、日本との時差?の事はユリア王女には言わないでおこう。彼女だって帰れることは無いと分かっていても、こっち来ての十年が向こうでは百年経っていると聞いたらさすがにショックだろうしな。


 うんそうしよう。

 私の中身は32歳で彼女は25、それでいいわ(笑)


 時の流れを考えるとトンデモナイことだけど、この世界に同じ日本人がいると分かって信じられない位に嬉しい。

 本当は年上の私だけどこの世界ではユリア王女が年上だ。

 デオドールお義兄様と婚姻すれば義姉になるのね。

 なんか不思議な感じだけど二人だけの時は日本の話も出来ると思うとワクワクして来る。

 この世界で一人じゃないって思えただけでも嬉しくて涙が出そうだった。



 そしてとうとうジュリアンナとユリアが対面できる日がやって来た。

 式は一年後になるがこちらでアデライト王太子妃としての王妃教育を受ける為に早々に入国してきたのだった。

 当然アデライト側はユリア王女を王太子妃前提での受け入れる体制も整っている。


 王宮の一室にユリア王女の部屋は設けられいた。

 その扉の前でアンナは深呼吸をする。

 ユリアには歓迎の宴で挨拶を交わしただけで数日間会えないでいた。


***

 ユリアの印象。

 黒髪だ~。瞳は黒に少し茶が掛かっている。一重ではなく二重だが典型的な日本人だった。

 懐かしさしい友人を見たような気持になり思わず涙がこぼれそうになるのを必死で堪えた。


 ユリアも部屋の中で逸る気持ちを抑えながらアンナの訪問を待っていた。

 デオドールからジュリアンナが転生者である事は聞いていた。それも同じ国の人間だと。

 十五才でこの世界に放り込まれずっと一人だと思っていたのに、同じ日本人がいてくれたと知った時には思わず一人の部屋でガッツポーズをとっていた。


***


 ジュリアンナの印象。

 歓迎の式典で紹介された転生者はまるでディズ〇ー映画に出て来るようなお姫様だった。

 プラチナピンクの髪に同じ色の瞳。日本でコスプレしてカラコンを入れている感じ?自分と同じ容姿を想像していたユリアは裏切られたような気分だった。

 それでも早く話がしてみたいその思いでいっぱいになっていたのだった。


「ジュリアンナ妃のお越しです」

「どうぞ」


「ユリア王女様、やっとお会い出来て嬉しく思います」

 アンナは丁寧に礼を取る。

「わたくしもジュリアンナ妃にお会い出来る事を楽しみしておりました」

 

 この世界では六歳年上になるユリア姫大人の女性だわ♪


 ユリア姫は早々に人払いしアンナと二人きりになった。


「改めまして#大原杏__おおはらあん__#です」

 ユリアは驚いた後ににっこりと笑った。

「初めまして杏さん、私は#国立友里亜__くにたちゆりあ__#です」

 二人はどちらともなく近づき抱き合った。

 涙が溢れて来る。

 暫くの間抱き合ったまま声を出して泣き合う。


 やっと落ち着きを取り戻しお互いに見つめ合い微笑み合う。


「どこから話したらいいのか」

「ですよね」

 

 普段は勝手に自動翻訳されてこの世界の言葉になっていると神様から聞いていたが、なんとなくユリアと話すときは日本語同士になっているようだと感じた。


 ティーセットが置かれたテーブルに二人で座るが急に照れ臭くなり言葉に詰まってしまう。

 アンナは思い切って聞いてみた。


「友里亜さんは十五でいきなりこの世界に転移されてビックリされたんでしょうね」

「はい、登校途中にいきなりブラックホ―ルに飲み込まれたみたいな、そんな感じで気が付いたら噴水の池にへたり込んでいて、その後はパニックでした」

「そうですよね、何の準備もなく来てしまったんですもの」

「杏さんは転生と聞きましたが」

「ええ、私は二十歳の時事故死して、その時突然神様が現れ違う世界に転生させると言われ、気が付いたら七歳の女の子でした」

「えっ、神様に会ったんですか?」

「はい、とっても中性的で綺麗な人ですよ」

 そう話しながら十五の誕生日以来会っていない神を思い出しクスッと笑ってしまう。

「いいなー、神様に会えたなんて。羨ましいわ。杏さんが日本人ではない容姿をしているのも聞いて納得したわ」

「ふふ、そうですか。あと私のところに来た神様は結構な無茶振りして来るチャライ神ですけどね」

 

 ふと友里亜が考え込む。

 いま、杏さんは二十歳で死んでと言った。という事は私より年上?

「失礼ですが杏さんが日本にいたとしたら何歳ですか?」


 うわっ、そこに気が付いちゃったか。

 アンナはしまったと思いながら開き直る。


「実はここでは十九才だけど、十二年前に転生したので三十二歳に・・・」

 アデライト一年→日本十年は言わないで置く。

「ええーーー!!!」

 友里亜が腰を抜かしそうになるも座っていたお掛けで何とか持ち直した。

「うそ!私より年上・・・」

「えへへ、そうです」うん、見た目が今これだから驚くよね(笑)」

「なんか不思議な感じですね。ここでは私が六歳の上なんて。杏さんは七才から人生をやり直し?してるからそうなるのか」


 日本での実年齢を聞いて納得いかないような顔で杏の顔をじっと見る友里亜。


「ずるいです、神様にも会えててこんなお人形みたいな綺麗で可愛い人になれて」

「まぁこれにはいろいろ事情があったので・・・」


 友里亜だって絶対に可愛いに属する高校生だったと思う。こちらに来ても黒髪黒目は珍しいし幼くも見えるが美人だ。

 でも申し訳ないけどジュリアンナは特別なのだ。大聖女そのままの容姿をジュリアンナは引き継いでいる。友里亜の言う通りプラチナピンクの髪と瞳はこの世界でも類を見ない存在なのだから羨むのも仕方のないことだ。

 

「妬んでもでも仕方のないことですけどね」

 友里亜は笑いながら付け足した。

「実年齢はともかくここでは私がお義姉さんになるのでよろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いしますお義姉さま」


 また二人で笑う。こんなに笑ったのはこの世界に来て初めてかもしれないと二人は思っていたのでした。


 そんな話から今のお互いの立場に話が進むまで二時間は掛かっていた。


「お醤油とお味噌に出逢えて嬉しかった」

 アンナが自分で醤油を仕込んだが近いものは出来ても本物には届かなった事を話すと、友里亜もこの世界に来て先人の「外から来た人」が日本人で良かったと話した。やはり食べ物が合わないのは一番辛い。でもそれがあったお陰で島国で取れる魚介類も生で食べることが出来たし、おコメも食べることが出来たのが唯一の慰めだったという。


 うんうん、そうだよね。ここのパンは硬いしね。私もタイ米のような米でも見つけた時には飛び上がって喜んだもの。

 人間食は一番大事だ!


 二人の話は尽きなく大幅に面会時間が過ぎてしまう。心配したバージルとデオドールが迎えに来てくれた。


「ユリア王女、アンナとの時間は楽しく過ごせましたか?」

 優しい笑顔で話しかけるバージル。

「ええ、勿論ですわ。こちらに嫁いでもジュリアンナ妃がおられるので何も心配ないと確信いたしました」

「それは良かった」

 デオドールがユリア姫の手を取り口づける。


 退出する時にそっと友里亜が杏の耳元に日本語で囁く。


「アデライト国の王子様は二人ともイケメンよね。杏さんは小さい時からこの国で育ったから見慣れてるでしょうけれど、あたしは十年経ってもこんな美形には慣れないわ」

「えっ、私だって同じですよ。一緒に暮らしててもバージルのイケメン顔には未だにドキドキしてしてるもの」


 と返し二人で顔を見合わせて笑ったのでした。



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