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曙光を見出す  作者: 椿榎楸柊
序章

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約束

 冷たい雨が降りそそぐ。

 雪になり損なった雨粒が、周囲から光と音を吸い取って、私達を隠してくれる。巣穴で寄り添う雛のように、隣の身体と熱を分け合った。


 指先に、自分より大きい手が触れる。指先も、掌も、すごく硬い。


「約束しよう?」

「……約束?」

「そう。魂を賭けた約束」

「……魂……」


 急に不安が湧いてきて、つないだ手をぎゅっと握る。


「……私達は、お互いを絶対に見捨てない。死ぬまで、ずっと大事にする。だから、約束」

「約束、する」

「うん。ね、約束の歌、一緒に歌おう」


 手遊び歌に乗せて紡ぐのは、魂を込めた願いと誓い。

 しっかりとお互いの両手を繋いで、歌い始める。



やくそく しましょ 

やぶっちゃ だめよ

たましいかけて 

やくそく しましょ 

うそをついたら 

むくいがあるよ

やくそく したよ 

きざんだよ



 繋いだ手ごと、お互いの頭、唇、心臓の上に触れていき、最後に額に額をすり寄せて、歌を終える。


 どうか、どうか。この約束が、私の魂に刻まれますように。


 もう、独りは嫌だから。

 一緒にいよう。

 ずっと、死ぬまで。


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