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爆音と共にまた石版がふってきた。
天使アイリーンが読み上げる。
「やあ、久しぶり。ネフロレピスだよ。先日1級神に返り咲いたところなんだ。
俺の役割は混沌、つまりカオスだ。
現状あるものを破壊したり秩序を乱したりと混沌とした状態を作り出すこと、ここから先は秩序、つまりロウの勢力による再生や新生が行われる。
だがサボっていたらアラ不思議、人類が超いっぱい増えていたんだ。
でもまあここまで増えたら勝手に潰し合って減るだろうし放置でいいと思っている。
もっともその世界そのものは人類の存在を好ましく思っていないようでいわゆる魔王系モンスターの発生に繋がっている。よって俺の役割はないと思う。
なにせ混沌の勢力の長である俺が何もしなくても世界は混沌としているので、手を出さないほうがいいというわけだ。
陰ながら見てたけど混沌の勢力にも秩序の勢力にもなりうるヒロトはいい感じにこの世界の混沌と秩序のバランスを保つ存在になってくれているようだね。
ヒロトのおかげで世界は混沌と秩序を兼ね備えた、とても良い方向に向かおうとしている。
それはそうとハイミル教を筆頭に様々な勢力がネフロレピス教団が危険な存在だから潰そうという動きをしていることは知っているかな?
ひょっとしたらハイミル教がガチで殺しにくる可能性がある、特にハイミル教の大司祭は強いから注意したほうがいいぞ。もっともヒロトなら10回戦えば6回か7回くらいは勝てるだろうが、負ける3回や4回を引き当ててそれで完全に息の根を止められちゃおしまいだからね。
前に全部爆撃機でいいんじゃないか論の話をしていたことがあったと思うが、ヒロトなら相手が1000人でも1万人でも1人で勝てるだろう、だが向こうにもヒロトと1人で勝負して勝てる可能性がある存在が居るということは忘れないようにしたほうがいい。
向こうからすれば他は全敗でも1勝すればいいんだ、ヒロトVS大司祭で大司祭が勝ったらそこからはもう全てに決着がつく可能性がある。
世界が混沌としている理由を押し付けられしまうというのは困ったものだよね、だがひょっとしたら人にはそうやって一生かかっても超えられなかったり壊せなかったりする壁のようなものが必要なのかもしれない。
だからハイミル教やそのほかの戦力が攻撃してきたら手を抜かず、こっちもちゃんと戦うようにするべきだと思うよ。
自分たちが殺されれば全て丸く収まるんだなどと思って抵抗せず殺されるのだけはやめておいたほうがいい、次の標的、犠牲者を生み出すことになってしまうからだ。
さて、ハイミル教と戦いになった場合に備えてこの石版の中にダイスを入れておいた。本来は6面ダイスで5面はアタリ、1面はハズレというダイスで、6分の5の確率であるアタリを出せば凄まじい幸運があるが、6分の1のハズレをひくと最悪の場合、即死もありえるダイスだ……だが、俺の力で全面がアタリになっている。『ネフロレピス・ダイス』だ。
ただしこのダイスの効果は1回使うと1週間くらい効果がないんだ、まず1回くらい使って効果を確かめてみるといい。
なおこの石版は読み終わると爆発するから注意してね」
素早く離れる。
本当に爆発した。
ハイミル教に注意しろか、わざわざこんな石版を送ってくるということはもう時間がないんだろうな。
そろそろ本格的に戦いがあると思っていいだろう。
授与式で力を与えられた俺の兵隊を亜人村に送り、入隊すればこんなに強くなるよと言ってまわったり村の腕っぷし自慢を格闘技能3で圧倒したりしたことで入隊するという亜人たちは大きく増えている。
それでも村長たちはここに来ることに否定的だ。
ある意味当たり前だろう、ここに来るということは今まで持っていた権限のようなものが大きく変わる。
武力の置き場所が変わるということは村長達の立場を大きく変えてしまうのだ。
一応村ごと居住区に引っ越してきたリザードマンの集団はいたにはいたけど、あくまで例外的な存在だろう。
「あったわ、これが『ネフロレピス・ダイス』ね」
爆発した石版の辺りからダイスを見つけてきたらしい天使アイリーンがやってきた。
受け取って見てみる。
6面ダイス、全面にアタリという文字が日本語でかかれている。
「試しにふってみるか」
ダイスを軽く投げてみた。
転がったダイスは当然のようにアタリが出る、そもそも全部アタリなんだからアタリ以外出ないだろう。
特に何も起きない。
しばらくすると大きな砂時計が現れた、砂が落ちきるまで1週間くらいはかかるだろう。
この砂が落ちきるまでは次、使えないということだろう。
「あ」
突然天使アイリーンが声を出した。
「どうかした?」
「王国軍とハイミル教団の神聖騎士団がこっちに向けて出撃したみたい」
「マジかよ」
「マジマジ」
「よし、やるか」




