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11-5

話をまとめると暗殺されそうになったけど事前に察知してなんとか逃げてきた。

このまま王国に居ると殺されそうなので部下と一緒に外国に高跳びしようと思った。

けどそこまで移動する為の部下がいつまでたっても待ち合わせの小屋に来ない。

2人で外国に行くのは無理、船も部下が用意することになっていたし、大人数がのる大型船は顔がバレてるのでのれない。

どうしようかと悩んでたところで天使アイリーンが見つけてきた。

暗殺されそうな理由は話すと長くなるがカタリーナ姫が次の女王になるのがイヤという人が居るからたぶんその辺りの人が暗殺者を送ってきたとのこと。


「それは大変だったねえ、王族も暗殺されそうになったりとか大変だねえ」


そのままその場に居てもらうことになった暗黒神官デイジーが暢気に言った。


「ええ、そうね、なかなか大変だったわ」


「ヒロト様ー、2人を助けてあげてください、親友なんですよお?」


「ああ、そうだな、暗黒神官デイジーの教団への貢献は大きい。2人はしっかり助けよう」


王族が手元に居ると何かいいことあるかもしれないし。


「ちゃんとした良い部屋を用意しよう……もし2人とも部下になるというのなら力を渡すがどうする? 特にカタリーナ姫には強い力を与えることができる」


「もちろん部下になります、カタリーナも部下になるわよね」


「ええ、はい」


「ではこのコインを渡そう、持っていれば頑丈になる、ただ少し頑丈になるだけで不老不死になったりするわけじゃないし呼吸不要や睡眠不要や飲食不要になったりするわけじゃないから過信しないようにね」


2人にメダルを渡す、『頑丈』2の技能が含まれている。

これを持っていれば『頑丈』技能2の効果がある。


「このメダルを持っていると頑丈になる?」


「ちょっとナイフ持ってきて、普通のナイフね」


ゴブリンがナイフを持ってくる。


「これで自分の手を刺してみて、最初は優しくね」


シェル第二夫人とカタリーナ姫がなかなか刺さらないことを確認する、少し強く刺しても平気。


「そのメダルの効果で頑丈になる、打撃や斬撃だけではなく精神的苦痛、毒、疲労、暑さ寒さ、痛み、飢え、食べすぎ……その他色々なことに頑丈になる、カタリーナ姫はそれだけではなくこれどころじゃない強い力を渡すことができる」


「それは本当ですか」


シェル第2夫人が前に出てくる。


「うむ、俺と力を共有することによるものだが……メダル手渡すみたいな簡単なものではなくてな」


「一体どうやって渡すのでしょうか」


カタリーナ姫ではなくシェル第2夫人がグイグイくる。


「まあそのなんというか」


なんか言いづらいな。


しばらくそのままでいると暗黒神官デイジーが言った。


「方法はセッ○スですよ、相手が女性なら誰でもでるんですからパキラにもできるのでは?」


暗黒神官デイジーが言ってくれた。


「まあその通りなんだが、もしイヤなら無理にとは決して言わない。ある意味一生のものとも言えるし」


「それでしたら是非、私に、私は王家に伝わる魔法で若さを維持し続けております」


やっぱり魔法とかで若さを維持しているのか、この年の子供が居てこの見た目は流石におかしいしな。

ふーむ、まあいいか。


「ああ、そうだな」


「カタリーナは……私が言うのもなんですが美人ですからね、ヒロト様のお眼鏡にかなったようでなによりです」


「ああ、魅了の魔眼を使っていたようだが」


「……」


シェル第2夫人が固まる、下手な言い訳をするとマズいとか思ってそう。


「魅了の魔眼など俺には効果ない、だが魔眼の効果が無くても十分魅力的だから安心していいぞ」


そういって俺はじっとカタリーナ姫を見る。


「あの、私もイヤではありません」


カタリーナ姫が熱い視線をこっちに向けていた。


「それとですね、私が使っているこの若さを維持する、王国に伝わる魔法なのですがちょっと困った副作用がありまして」


「なにかあるの?」


若さを維持する魔法、誰でも使えるんならみんな使いそうだがそんな話は全く出てこない。


「これです」


シェル第2夫人が指を鳴らすと背後に巨大な砂時計が現れた。

砂は落ち続けている。


「若さを維持する魔法ですが……この砂時計の砂が全て落ちきったら死ぬという副作用があるのです、私の命はあと数年でしょう」


「その魔法って本当にただ若さを維持するだけの魔法?」


「はいそうです」


確かによく見るとただ若さを維持するだけの魔法のようだ。


「はっきり言おう、俺なら砂を補充するのは簡単だ、だがそうすると老ける。こればっかりは選んでもらうしかない。本来なら砂の補充は不可能だが俺なら可能だ……そもそもこの術は時間差で死亡させて、事故に見せかけた暗殺で使う術を改造して作ったものだ」


「それは……」


「別にいますぐ選ばなくていい、だがあまり時間はない。あと数年で砂は落ちきると言っていたが、あと125日と11時間27分後だ、1年もないな」


「そんな、それでも、それでも若さを……」


「気が向いたら言ってくれ、命より若さをとるのならそれもまた人生だ、俺がとやかくいうことじゃない」


どこまで若さに拘るんだろうか、そこは俺にはわからない何かがあるのかな。


さて、カタリーナ姫だ。

しかしその前にはっきりいっておかないといけないことがある。


特に魅了の魔眼をかけちゃったカタリーナ姫が何か勘違いしそうだし。


「そうだな、では冒涜的な闇の儀式を行う部屋に行こうと思うが……これはあくまで能力を共有するためのものであって、俺には心から愛している正妻が居るのでそこは勘違いしないように」

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