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凄まじい速度で突撃する暗黒神官デイジーとそれを冷静に見ている聖女イリス、とんでない威力で振り下ろされる錫杖を優れた剣さばきで受け流し……次の瞬間デイジーの左フックが聖女イリスの脇腹に入った。
聖女候補の頃のデイジーとはすこし戦ったがデイジーの錫杖は威力が有りすぎて振り回す本人も一撃入れた後少し止まる。
ついでに言うと一撃を入れる前に振りかぶるのに少し時間がかかっていた。
暗黒神官デイジーは今まで通り振りかぶって一撃を入れて、そこから別人みたいな軽快な動きを始めた。
恐らく模擬戦闘を何度かしたことがあるのだろう。
今まで通りに突っ込んできて今まで通りの一撃を入れてきたら今まで通りに少し止まるだろう。
そう思うことは当然だがここまでの一連の動作全てが左フックを叩き込む為のフェイントだったのだろう、本当は今までより早く打ち込めたのにわざと遅くして相手に今まで通りの対応で良いと錯覚させた。
左フックは結構効いているようでそこから立て直しに苦労しているようだ、もちろん暗黒神官デイジーが今までとは明らかに違う速度で錫杖を振り回しているのもあるのだろうが。
そもそもこういう鈍器は振り回す速度が上がると威力も上がる。
受け流さすに普通に受けると衝撃だけでダメージが蓄積する。
やがて聖女イリスが持ってる剣が折れた、それでもなお錫杖を振り回して追撃をする暗黒神官デイジー。
ギリギリのところで聖女イリスは錫杖を避けていくがいよいよ避けられなくなった。
大きな金属音がした。
俺が暗黒神官デイジーの錫杖を持ってきた復活の剣で受け止めた音だ。
「すでに勝負ありだぞデイジー、俺が止めなきゃ殺しているところだ」
その言葉にはっと我に返ったような暗黒神官デイジー。
「あ、申し訳有りません。私の中で聖女イリスはどんな攻撃をしても一切通じない相手というイメージで、それで、その」
「まあいいさ、さてこっちの勝ちだが2戦目も剣で勝負するのかな?」
聖女アプリコットが前に出てきた。
「剣じゃ勝てそうにないわね、トランプで勝負しましょう。聖女マルガリータ、聖女イリスを介抱してあげて。大きな怪我はないとは思うけど」
「わかった」
聖女マルガリータが聖女イリスの元に行く。
この状況でカードバトルか、余程自信があるのか?
ルールが複雑なら必勝法があるはず盤上遊戯でも長年の研究の末、先手側が100%勝つ方法が普及して何年かして判明、ルールが改定されたという話も聞く。
「あまりルールが難しいのは」
「簡単よ、上から1枚ずつ交互に引いていくだけ、そしてジョーカーを引いたほうが負け、ルールはそれだけよ」
純粋に運勝負か。
ならば向こうもこっちのカードゲームの腕前を測りかねているとみていいだろう。
「よしやろう」




