表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/66

4-1

部屋にはヒロト、ゴブリンの王、そしてゴブリン1体が居た。


「今日はヒロト様に我がゴブリンの王国1の美しい娘を連れてまいりました、よければ是非」


ゴブリンの美的感覚がわからない……完全にストライクゾーンの外である。

これとセックスするくらいならまだメスのヤギやヒツジにチンコ突っ込む方がマシだ。


「大変もうしわけないがお断りする、ゴブリン王の気持ちだけ貰っておく」


「そうでしたか……」


残念そうなゴブリンの王と比べゴブリンの中じゃ美人らしいゴブリンが嬉しそうにジャンプする。

色気など欠片もない。


「ギョギョギョ、ギョギョ」


ゴブリンが謎の奇声を発している。


「なんでもプロポーズを保留にしているオスのゴブリンが居るそうです、今回断られて受けることにしたと」


「ああ、良かったね」


ゴブリンは何処かに去っていった。


可愛いモンスターを探したい、ゴブリンは部下として有能といえば有能だけど外見に問題がある。

それにしてもゴブリンの王とゴブリンロードとゴブリンシャーマンとなんか色々居るが、何処でわかれるのか?

性格なところはよくわからないが力をつけると変化することがあるらしい、ということは本当に美人なゴブリンが現れる可能性もあるということだろうか。


それよりもっと気になるのが聖女の存在だ、もう名前からして美人っぽい。

なんかもうメイクとかしなくても美人だったりしないだろうか。


今のところ、綺麗どころが天使アイリーンしか居ないのでなんとかしたいところだ。

そんな中、天使アイリーンが深刻な顔をしてやってきた。


「大変、大変よ、大変なのよ」


大変とだけ言われてもわからんぞ。


「何かあったの?」


「ハイミル教団と聖女の旗印掲げて100人くらいの人間がこっちに向かってる」


俺とゴブリンの王が固まる。


「鳥を使役して見てたんだけど亜人ラミアの村が襲撃されていたわ、応戦してたけどラミアの惨敗、聖女1人に押されまくって負けてたわ」


「それはそれは」


いきなり聖女が来たのか。

ゴブリンの王が神妙な顔で聞いた。


「ラミアの村は500体くらいは住んでたはず、この辺りのラミアはかなり戦闘力が高いはず。どれくらいでやられてしまいましたか?」


「500体のラミアがほぼ全部倒されるまで1分もかからなかったと思う、魔法は一切使わず手に持ってた棒みたいなので殺していたわ」


「魔法を一切使ってない……3人居る聖女の中で魔法を一切使わない戦い方をするのは聖女イリスのみ。ゴブリンの王国を壊滅に追い込んだ相手」


追っ手か?

追っ手だよなあ、普通に考えて。


「追っ手ででしょうなあ」


「どう考えても追っ手よね」


2人もそう思ったようだ、というか取り逃したゴブリンの王をそのまま逃すわけないだろうし。

それにしちゃ随分遅かったような気がする。


そのおかげで自分がネフロレピスから貰った能力の検証ができたので良かったということにしておこう。


「聖女らしき1人と騎士が1人、森へと入ってくるわ。もう1人の騎士は森の外で待機しているみたい。ある程度時間が経っても戻らなければ戻らなくても戻るという話をしているわ、森の外には80人程度の傭兵の存在を確認。森へは入らないみたい。聖女らしき1人は守護術式として負傷で自動発動するテレポートがかかっているわ」


天使アイリーンが言った。

つまり聖女と騎士の2人が森の中に入ってきたということだ。

そして森の外には結構な人数が居る。


森の外の連中は逃さないほうが良いだろうな、人数も多いからゴブリンで包囲するのがいいだろう。


「よし、生け捕りにしよう。こんな時の為にこんな剣を用意しておいたのだ」


そう言うと俺は無から剣を抜く。

普通の剣に見えるがもちろんただの剣じゃない。


「それは?」


「よくぞ聞いてくれた、生け捕りにするにしても相手がそれなりに強いと大変だ、この剣で殺された奴は生き返ることができる、1回だけだけど。よってこの剣で息の根を止めてしばし待つと生き返る。死んでるうちに拘束すれば簡単に捕獲できる、聖女はこの剣で捕獲しよう。剣を使うまでもないような相手ならわざわざそんなことはせずに普通に捕獲するけど……ゴブリンの王よ、森の外に待機しているやつを逃さないように頼めるか」


「お任せください、こっちも捕獲すればいいんですよね?」


「その通り」


そこで天使アイリーンが言った。


「聖女を捕獲して、それでどうするの?」


「ハーレムを作ることを目標にしようかなと」


「大丈夫? たぶん私達の印象って聖女たちからしたら最悪よ」


「記憶改ざんとかで別人にして聖女をハーレムに入れるとか?」


「そういうのじゃないんだよ、あくまで自力でだなあ」


「この世界じゃ求婚の際には自分が何割か増しでかっこよく見える魅力の魔法を含んだ無臭の香水やかっこよく見える魔法陣が書き込まれた服を着るのは、もやは礼儀みたいなもんよ。高価だからそれくらいのものを買ってまでみたいな意味もあるわ」


もうすでに捕まえることに成功した前提で話しているが、まだ成功してない。

皮算用している場合ではないだろう。


こうして話している横でゴブリンの王はどこか安堵している、聖女と戦うのが怖かったのだろう。

戦列から外されて安心しているようだ。

そんなに長い付き合いじゃないがいつも自信満々のこいつがこんなに怯えるとは。

とりあえずこいつが戦っても無事だというくらいなら、そんな強くはないだろうから、たぶんなんとかなると思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ