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勇者死んだままパーティー(契約中) ― 白銀のドラゴン退治 ―  作者: ぽすしち
― その22 ―

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起こした責任


「でもよお、ほら、あの棺桶で、《前のリミザ》で目、覚ましたじゃねえか」

 ガットはそこに希望を見出みいだしたい。


 カレンがリミザをまた起こすにあたって、『いにしえの魔法使い』の起こし方をすると言って、あの真っ黒な棺にいれられたのだ。内側には美しい光沢の布がはってあったが、その色味はあの《赤黒い炎》と似ており、ガットはなんだか嫌だった。

 だが、その棺桶で起きたときに、リミザの『真の姿』がわかるといわれ、うなずいたのだ。



 三人とも、いまでもリミザの『真の姿』は、《前のリミザ》だと思いたかった。




「 あの《リミザ》で起きたのを見届けたから、カレンだって《赤黒い火》のことをしばらく黙ってくれるってことになったんだしよ。このドラゴン退治がうまくいったら、土にうめたムシールを回収してトラス王国に届けて、カシール王にどうにかうまく頼めねえかな。ようは、おれたちがまだ《王様連盟》から依頼を受けたパーティーでいられりゃ、リミザの《リビングデッド》だって解かなくてよくなるだろ?」ラーラには『無理だ』と言ったが、ガットだって、できればこのままのリミザを維持したい。


「まあそれは・・・、《ドラゴン退治》だけじゃなく、ほかのことも『うまくいったら』、考えていいかもしれませんが・・・」

 ラフィーが重いものをのみこむようにうつむいた。



「『ほかのこと』ってなんだよ?」



「・・・ドラゴンはきっと、《魔族寄りのリミザ》の力なら倒せるでしょう。ですが、もし、そのリミザがドラゴンを倒さずに、それをわざとトラス王国へおびきよせたらどうします?」



「おびきよせる!?・・・おまえ、いやなこと考えるな・・・」



「だってそうでしょう?ドラゴンは魔獣の一種ですよ。精霊が飼いならすという話もありますが、基本的には人とは仲良くなりません。 ―― ですが、魔族がその魔獣を利用して街や船を襲うというはなしは、むかしからどこにでもあります」



「ドラゴンは魔族のいうことだってきかねえさ。ただ悪賢いあいつらに利用されるってだけだろ。・・・・リミザが、それをするっていうのか?」



「ラーラの杖を奪ったリミザなら、そうしても不思議じゃない。わたしたちは、その可能性も考えておかなきゃならいんですよ。彼を『起こした』責任として」



 いいきったラフィーから先に目をそらしたのはガットだった。


 またゆっくり階段をおりはじめると、「心配すんな」とつぶやいた。

「  ―― もし、リミザが完全に『魔族』になって、ラーラがぶんなぐっても《前のリミザ》にもどらなかったら、 ―― そんときはおれが、リミザの首をはねる」



「 ・・・が・・ガット、無理だ。あなたにそんなこと、」



「おれがやらねえで、だれにやらせるっていうんだ?」

 ふりかえったガットはうすくわらっていた。

「やるとしたら、おれだ。リミザを『起こす』って決めたときに腹はくくってる。 ―― ほかのやつには、やらせねえよ」



 なにもかえせないラフィーに片手をあげて、ガットは階段をおりはじめる。



 なかなかこない二人をよぶラーラとリミザの声が下の方から響いてくる。



 ラフィーは壁に手をつき、しゃがみこんだ。












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