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勇者死んだままパーティー契約続行中 ― 白銀のドラゴン退治 ―  作者: ぽすしち
― その18 ―

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面倒なうえに腹が立つ


「『なぜ』かっていうと、おれたちは今日、迷路をあいてにして疲れたからだ」

「そうよ。ガットなんてずっと気絶したあんたをかついでたんだから」

「ほんとにあの状況で最後まで気絶してたんですか?とちゅうから、眉がすいぶん動いてましたから寝たふりしてたんでしょう」


 《勇者一行》をみてその構成が、三人の《オトナ》と《コドモ》が一人だとみてとったムシールは、《コドモ》のほうのリミザをみて、そうだな、と顎をなでた。

「 まあ、こんな《コドモ》がいるなら、夜に無理をすることもないだろう。では、明日の朝から向かうことにして、きょうはもう休め」

 さっきから休んでいる四人に指をむけていうと、じぶんの荷物をおろして、なにかをさぐりだすと、それをふった。


 「 あ 」

 

 リミザがもっていたマシュマロが刺さった木の枝に、ムシールが振り出した紐状のものが巻き付きさらいとった。


「くそ。あの《ワイヤー》だ。おれのことをひっぱりやがったのは」

 ガットがいまいましそうにムシールが操ったワイヤーをにらむ。


「あれ、魔法道具だわ。ドウドさまがおもちゃ代わりにあげたのね」

 ラーラがムシールの口に入ろうとしているマシュマロを一瞬で燃やした。



「あちっ!おい、魔法使い、なんてことをするんだ」



「そのマシュマロはうちの《勇者》のだから、あんたに食べる権利はない」



「《勇者》だと?その《コドモ》が?《勇者》はそっちの男だろう?だからわたしも助けてやろうとおもって、こっちに引っ張ったのだ」


 ガットをゆびさすムシールに、ラフィーがおおきなため息をつく。


「 どうします? 面倒なうえに腹が立つんですけど」


「たしかにな。どうするよ?リミザ」

 ガットに判断をまかされたリミザは、完全に《前のリミザ》だった。

 ラーラにわたされた《マシュマロ三つ串刺し焼き》をうれしそうに前歯でかじりながら、王子をみることもなくこたえた。

「脅されたというか、たのまれちゃったし、連れてかえらないと、もっとめんどうになりそうだし、とりあえず、どういうことになってるか、説明してあげれば、すこしは落ち着くかもよ。 ―― なにしろあの魔法の迷路で半年もうろうろしてたんだから」



「半年だと!?ばかな!」

 ムシールは目がとびださんばかりに驚いた。




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