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勇者死んだままパーティー契約続行中 ― 白銀のドラゴン退治 ―  作者: ぽすしち
― その14 ―

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72/133

カシール王は言った

ご注意を 暴言がございます。


「あー、それで審査をきびしくしたのかあ」


「つまり、《王様連盟》には、ムシールのことを報告してねえんだな?」


「そりゃ、報告できないよねえ・・・。親子喧嘩した夜中にひとりで勝手にむかったとか」


「さらにはカシール王が倒れられ・・・ ―― 」

 そこまでいったラフィーがなにかに気付き、くちもとに手をあてた。

「 ―― たおれ、たのではなく、 ・・・動いたりしゃべったりできないように、カレンが魔法術をかけているのですか?」



 「「「はあああ?」」」 賢者以外の声がきれいにそろった。




「 そうだ。言っただろう?よく似ておられると。 ―― ムシールさまがひとりでドラゴン退治にむかったのがカシールさまにばれてしまい、こんどはカシールさまが王子を助けに行くと、いいだした。わたしがとめると、アントンをよびだして、いっしょにゆくぞ、といきなりドラゴン退治を命じたのだ。この二人だけでじゅうぶんだと言い張るのに、アントンでさえ、考え直すよう進言した。 だがカシールさまは自分の腕があればドラゴンくらいなんともない、と言い張った。その、もめている最中にカレンがもどり、カシールさまはカレンにもドラゴン退治に同行するように命じた。『いまこそ国の役にたて』と。 だが、カレンは断わった」



 

 『 国のために役立つ王の命令とあれば従いますが、

      あなたの息子を助けることが、ほんとうにこの国の役に立ちますか? 』




「あ~、だれかハッキリいってやらないといけないもんなあ」

 リミザはうなずく。

「いや、でも、確かにそうだが・・・、親子なんだしよ、そこは・・・」

 ガットはもどかしそうにひげをかく。

「あたしでも断わるわ。王様にしちゃ、ちょっと行動が軽すぎるもの」

 ラーラが当然だというように片手をはらった。

「カレンが断ったところでカシール王の気は変わらなかった、というわけですか」

 ラフィーが確認する。



 コルックは咳払いをするように声をととのえ、ゆっくりとこたえた。


「 ・・・カシールさまは、カレンを『役立たずのムダ飯食いのクソババア魔法使い』とののしり、カレンはカシールさまが勝手な行動をとらないよう、あの魔法をかけた、というわけだ」



「『くそばばあ』?」

「あいつ、女の魔法使いか?」

「そうよ。わからなかった?」

「半分以上、カレンを怒らせたせいでかけられた魔法のようですね」



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