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82.夢オチ?

 勉強は正直あまり好きじゃない。

 でも、そんな私でも一応全部聞いた。


 頑張った!


 私は先生の話をノートに書く。

 とりあえず、黒板に書いてあることを全てノートに書き写した。


「では、なにか今回の授業に関して質問はありますか?」

「先生!」


 ココロちゃんが手を挙げた。


「ダンジョンがなぜできたのかって、本当に解明されてないんですか?」


 シンプル過ぎる質問だ。


「解明されてないって言ってたじゃん」


 私はヒソヒソ声でココロちゃんに言った。


「いや、10年も経ってるんだぜ? おかしくないか?」

「おかしいかな?」


 ココロちゃんもヒソヒソ声で私に言った。


 そして、先生の返答は……。


「流石御剣さん、いい質問ですね」


 いい質問!?


「確かに10年が経過した今、ダンジョン内の謎はまだまだ残っているとはいえ、解明されている謎も多いです。ですが、それは”ダンジョンがなぜできたのか?”に直結しないものばかりです。ですので、御剣さんの質問には教師としては、“解明されていない”と答えますが、私個人としましては……ぜひ御剣さん、いや、御剣さん“達”に解明して欲しいくらいですね」


 先生は最後、くすっと笑いながら言った。


「ありがとうございます」


 ココロちゃんはそれに対して、若干照れ気味に返した。


 確かに解明できたら楽しいけど、難しいよね。


「難しい任務だね」

「いや、どう考えても冗談だろ」



 そして数日後。

 とある出来事が起きる。


 寝る前にとあるニュースを見た。

 私は普段、ニュースはあまり見ないんだけど、お母さんに言われて見た。


 なんでもダンジョンに関することらしい。


「って、嘘!?」


 驚きべきニュースだった。


 そう、これは……歴史が動く瞬間かもしれない!?


「ニュースです。ダンジョン探索者でありお笑い芸人でもある【神野王者】さんがダンジョンに発生するモンスターについて、ある共通点があると発表されました。それに関しましては専門家の方達からもおそらく正しいとされているようです。詳しい情報については明日お知らせいたします」


 き、気になる!!


 けど、今日は発表されないみたい。

 残念だけど、寝よう。


 あっ、そうだ。

 神野王者さんって、お笑い芸人なんだよね。


 私は寝転がりながらスマホで調べてみた。


『俺は神だ。そして、テストが帰って来た時、こう叫んだペーパー!? ペーパー!? どうもペーパードライバーです』


 ふふっ!

 普段お笑い芸人見ないけど、この人は面白かった!


 って、もっと調べたらテレビ出演もしてる有名人だった!!



 よし、そろそろ寝よう。


 明日学校でココロちゃん達とじっくり話そう!

 楽しみだ!


 それにしても、これで夢だったらどうしよう!


 なんてね!



 次の日の朝。


「ねぇ! 昨日のニュース見た!? 神野王者さんって人が、ダンジョンについての謎を解明したんだって! わざわざニュースになるってことは、絶対重要なことだよね!?」


 私は学校へ到着したら、同じクラスのココロちゃんに、まずその話をした。


「か、神野王者……?」

「うん! お笑い芸人でダンジョン探索者だってさ! 昨日のニュース見てない?」

「見たけど……そんなのやってたか? というか、神野王者って誰だ?」


 ココロちゃんとあろうものが、私に遅れを!?

 じゃあちょっと知識自慢しちゃおうかな!?


「だからお笑い芸人だよ! ちょっとネタやってみるね! “俺は神だ。そして、テストが帰って来た時、こう叫んだペーパー!? ペーパー!? どうもペーパードライバーです”」

「えーっと、うん」


 ココロちゃんが目線をそらした!?


 そして、スマホでなにかを検索して私に見せてきた。


「そんなニュース、ネットを調べてもどこにもないぞ?」

「ええ!? あんなに大々的にテレビでやってたんだよ!?」

「いやそもそもさ」





 ココロちゃんが冗談交じりに、笑いながら言った。





「神野王者なんてお笑い芸人、いたか?」





「え?」


「ほら見ろ、検索してもそんな芸人どこにも引っ掛からなかったぞ?」


 ココロちゃんは、神野王者と検索した結果を私に見せてきた。

 でも、お笑い芸人の神野王者さんについては、検索に引っ掛からなかった。


 ど、どうして!?


 私も自分のスマホで調べたけど、出てこなかった。


 先生に訊いても、クラスのお笑い芸人好きな子に訊いても、ニュースのことも神野王者さんのことも、誰も知らなかった。


 あの知識が豊富なソラちゃんですら知らなかった。


 ってことは……。


 うん。


 夢だったってことだね……。


 神野王者さんも、きっと私の脳内に存在しただけのお笑い芸人だったってことだろう。


 どこから夢だったのか分からないけど、かなりリアルな夢だった。


 でも、まさか本当に夢オチとは、私も想像していなかったのでした。

当章を4.5章としました。

第5章は次の話からとなります。

よろしくお願いいたします。

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