81.授業:ダンジョンについて
あとがきに、お知らせがあります。
次の日、私はいつも通り学校へと通う。
そして、今は2時限目。
社会の授業の時間だ。
社会も苦手なんだよね。
まぁ、得意な教科はないんだけど。
それにしても、今日は何について学ぶんだろう?
「では、76ページを開いてください」
私は教科書を開いた。
「今日はダンジョンについて学びます。結構新しい歴史ですね」
ダンジョン!?
へ!? 今そんなこと授業でやるの!?
って、教科書にも書いてある!
そういえば、私……ダンジョンについて、あまり詳しく知らない。
ダンジョンって、どうやってできたんだっけ?
当時の私は3歳。
記憶はほとんどない。
「では、10年前のことを復習していきましょう」
今日の授業はなんだか楽しそうだ!
☆☆☆
これは今から10年前。
そう、2013年の出来事だ。
2013年1月1日に、それは起きた。
黒い不思議な空間の歪み、ダンジョンへの入り口、ゲート。
なんの前触れもなく、それは突如として世界の至るところに出現した。
本当になんの前触れもなかった。
当然のごとく、それらには触れないよう、ニュースなどが流れた。
厳重に準備をしてから調査をするので、一般の者は近付かないようにと呼び掛けた。
しかしそれでも恐れ知らずの人々は、ゲートに触れ、ダンジョンに入っていった。
目的は様々である。
有名になりたい。
単なる好奇心。
あるいはもっと別な理由かもしれない。
勿論、そういった行為をする人達を非難する人も大勢いたが、結果的にはそれによって、ダンジョンについての研究は短期間で大きく進んだ。
それもそのはず。
今はゲートと呼ばれているそれの先に、ダンジョンがあること自体、発生時点では分からなかったのだ。
結果、3か月程でそれが想像よりも安全で、そして人間の生活を大きく変えるものではないということが分かった。
“想像”よりも安全。
全く安全ではないという意味だ。
どうやらダンジョン内の体とダンジョン外の体は、身体的特徴は一致するが、それぞれの体は別なようで、ダンジョン内で死んだとしても現実世界の体に影響は及ばないということだ。
アニメなどでよくある、入り込めるタイプのゲームに近い感じだ。
しかし痛覚などは存在するようで、死ぬほどのダメージを食らった場合、精神的な後遺症が残る可能性も十分に考えられた。
幸いにも調査中にダンジョン内で死亡してしまった人間は我慢強かったということもあり、精神的な後遺症は残らなかったようだ。
だが、その人間は再度ゲートに触れてもダンジョンに入ることはできなかった。
そしてこのダンジョン、人間の生活を大きく変えてくれる存在ではない。
未知の存在や科学じゃ解明できないような物が、ダンジョン内には多く存在していた為、人間の生活に大きく貢献してくれるような存在だと考えた者も多い。
だが実際、そう上手くはいかなかった。
まずダンジョン内の物は外に持ち出せない。
これが問題だった。
そしてダンジョン外とダンジョン内の体は実質別な点から、ダンジョン内で強くなってもダンジョン外の体はなにも変化が起きない。
筋肉トレーニングにも当然役立てることができない。
運動不足も当然解消されない。
スポーツ選手などの練習場にも使われると最初は考えられていたが、ダンジョン内の体は“基本的には”ダンジョン外の体と比べてかなり高い身体能力を持つことから、実用的ではなかった。
しかし、娯楽施設だと考えるとかなりレベルの高い存在だというのは確かだ。
娯楽施設……当時はそれ止まりであった。
“2013年当時は”
どういうことかというと、ダンジョン内に唯一持ち込めるものの存在の影響だとでも書いておこう。
その名はスマートフォン……スマホである。
そして2013年と比べて、あることが大きく変わったことも影響している。
それは、インターネットを日常的に利用する人間の増加だ。
確かに2013年においてもスマートフォンはある程度普及しており、インターネットを利用する人も多かったが、今ほどではない。
現代におけるインターネットは以前と比べ、もはや“もう1つの現実”とでも呼べる存在となってしまった。
おわかりいただけただろうか?
そう、インターネットにおける“配信者”や“動画投稿者”、そしてそれを視聴する“視聴者”が大きく増加したことによる、ビジネスへの利用である。
ダンジョン内で活躍を配信、動画化にすることにより、それを見た視聴者による投げ銭や広告収入が得られる。
これらにより、ダンジョン探索者は金銭をダンジョン外でも得ることができる。
そのことから、2017年辺りからダンジョン内での活躍を動画サイトで公開する者が増えた。
それもそのハズだ。
ダンジョン内はかなり自由度が高い。
戦闘、料理……様々なことができる、自由度の高いゲームとも言える。
戦闘に関しては特にゲームに例えられる。
例えば敵モンスターを攻撃しても血は出ず、倒した際にも粒子となると言った点が、ゲームらしさを増幅させている。
ダンジョン探索者の出血も確認できていない。
そしてそんな遊び方無限大の自由度の高いゲーム的存在が、インターネットで流行らない方がおかしい。
だが、それよりもおかしいのが、なぜスマートフォンだけが持ち込めるのかという謎だ。
この謎は未だに解明されていない。
もっとも、ダンジョン内では解明されていないことなど山のようにある。
例えば。
そもそも、なぜダンジョンができたのか?
なぜスライムを始めとする、我々人間の想像通りのモンスターが出現するのか?
これらのことは一切明らかになっていない。
☆☆☆
す、凄い!
普段は興味津々の内容なのに、勉強だと思うと全然頭に入ってこない!
ネトコン11がひと段落つきましたので、タイトルとあらすじを変更させていただきました。
内容は変わらずですので、これからもよろしくお願いいたします。




