80.夏休み明け雑談配信
私の名前は龍崎ルカ。
中学2年生になったある日、私は友達のココロちゃんにダンジョン探索者にならないかと誘われ、ダンジョンに足を踏み入れる。
そして、私はダンジョン内でスキル【魔法少女】を手に入れる。
そのスキルで私は魔法少女になるんだけど、魔法少女っていうのは名前だけで、外見は漆黒のドラゴンになってしまったのだ。
その後私はダンジョン探索者のソラちゃんと友達になったり、探索者の間で話題になったり、強力なモンスターと戦ったり……本当に色々なことがあったよ。
たまにピンチになったりするけど、今のところ結果的には良い思い出になってるし。
これから先も楽しいダンジョン探索者ライフが送れたらいいな!
☆
夏休みが終わってから一週間が経過した。
そして、今は授業中だ。
午後の授業ということもあって、眠くなる。
「という訳で。我思う、ゆえに我ありというのは、仮にこの世界が本当は存在しないとしても、それを考えている自分の意識の存在だけは否定できないということなんですね! ここテストに出ます! ……って、龍崎さああああああああああああああああん!」
先生は顔を震わせながら叫んだ。
はっ!
まさか、ボーッとしてるのがバレた!?
「あ、大丈夫ですね」
「へ?」
「頭に蜂が止まっていましたので! けど、窓から出ていったみたいです。もう大丈夫ですよ」
「そ、そうだったんですか」
危なかったぁ。
ダンジョンと違って、ここで死んだら普通に死ぬからね。
というか、しっかり先生の話は聞こう。
将来の危機感とかはまだないけど、高校には行きたいからね。
理由は、高校行かないと働かないといけないからだ。
働くのはどう考えてもつまらない!
それにはとりあえず、あまり偏差値が高くない高校でもいいから行く必要がある。
だから、真面目に先生の話を聞かなくちゃならない。
そして、できれば大学まで行きたい。
働きたくないからね。
来年収益化が通れば、それで大学に行くことも可能だし、お金に関してはそれでいこう。
☆
そして放課後。
私は同じクラスのココロちゃんと、校門近くで立つ。
「お待たせしました!」
ツインテールの女の子、ソラちゃんがこっちに走って来た。
ダンジョン内では白衣で、ツインテールにリボンを結んでいるけど、ダンジョン外ではそうじゃないんだよね。
「ソラちゃんってさ、こっちの世界ではリボン付けないの?」
「流石に派手過ぎますよ」
確かに、目立っちゃうね。
「じゃあ、揃ったってことでクランホームに行くぞ」
ココロちゃんが言った。
クランホームとは、最近とあるアイテムによって作れるようになったダンジョン内での家のことだ。
新しい要素ということもあって、結構流行っている。
そのアイテムの使い方は簡単で、ダンジョンの壁にホーム種という種を埋め込む。
すると、壁に穴が開いて、ダンジョンが拡張されるという訳。
今まではダンジョン拡張のスキルはレアスキルとして存在してたんだけど、こうやって手軽に自分たちのスペースが手に入るようになったのは良いね。
私達がクランホームを作った場所は、学校から歩いて30分くらいの距離にあるダンジョンだ。
「あいたよ!」
ダンジョンに到着すると、私は壁に手を触れる。
すると、扉が開いた。
こうして鍵をあけるのだ。
ちなみに扉は登録した人にしか見ることはできない。
なにかされる可能性が高いかららしい。
「早いところ、改装したいですね」
ソラちゃんが言った。
確かに、扉の先はかなりボロボロの木造ダンジョンだ。
リフォーム的なこともしたい。
けど、まだどんなクランホームにしたいか決まってない。
だからホーム種を使って、数日が経過した今もボロボロなのだ。
「皆! こんにちは!」
自動撮影装置をスマホにセットし、配信をスタート。
私は皆に挨拶をした。
・『お久しぶり?』
・『夏休みぶり!』
・『おじさんに夏休みはなかったよ……』
ほとんどの人は元気そうだ!
そう、今日は夏休みあけてから初めての配信なのだ。
ちなみにクランホームからの配信も初だ。
そのことを、私は皆に伝えた。
・『結構ボロいな』
・『ゴールド結構持ってるでしょ? テイマーズグランプリで優勝したし』
・『改装しないの?』
「まだどんなクランホームにするか決められてなくてね!」
・『まぁ、改装も安くないからな』
「そういうこと!」
そして色々話したところで、今日の目玉!
新魔法紹介!
新魔法とは、【空間移動】のことである!
実は検証したんだけど、結構癖のある魔法だった。
あまり使うことも無さそうだし、紹介することにしたのだ!
それに、楽しいことは共有したいしね!
配信の醍醐味って奴?
私はスキル【魔法少女】を使って、魔法少女形態に変身する。
そうしないと、魔法が使えないからね。
『ということで、今回は新魔法【空間移動】を披露するよ!』
・『聞いたことない魔法だ!』
・『情報公開していいのか!?』
・『明らかに強そうだな……』
と、思うでしょ?
『じゃあ、行きまーす!』
私は空間移動を発動させる。
はぁっっっっ!!
・『草』
・『考察班はよ』
・『拙者の忍術の方が速いでござるな』
どうなったのかというと、1分くらい力を溜めた後、約1m先に瞬間移動した。
しかも他の魔法よりも明らかに疲れる。
連発はできなさそうだ。
つまり……。
・『ハズレ魔法か』
そう、ハズレ魔法だ……。
『どうですか!?』
・『うん、普通に移動した方が速いね』
・『破壊龍ちゃんが珍しく疲れてる。こりゃ燃費も相当悪そうだな』
・『遠くに移動はできないの?』
『残念だけど、今はこの距離が限界だよ』
完全にハズレだね。
ネタにしかならない。
・『考察班だが、1ついいか?』
『どうぞ!』
・『凄く疲れてるみたいだけど、あれだけの移動でそこまで疲れるのはおかしくないか? 他の瞬間移動の技や魔法でも、もう少し実用的だ。なにか別な処理がされてるんじゃないか?』
『どういうこと?』
・『例えば、ただ画像を開くだけのアプリがあったとして、それでスマホが異様に熱くなったりする場合、裏で他の処理が行われている可能性があるんだ。だからそれと同じように、実は裏で複雑な処理が行われてる魔法なんじゃないかなって』
『複雑な処理かぁ』
でも、実際はただの瞬間移動しかできないんだよね。
説明にもそう書いてあるし。
私はそのことを話した。
・『まぁ、自称考察班だからな。すまん』
・『流石自称w』
『いや、ありがとうだよ!』
私は考察班の人に礼を言う。
それだけ私のことを真剣に考えてくれてるってことだからね。
・『ダンジョンは謎が多いからな。案外当たってるかもしれん』
・『それな』
と、こんな感じで夏休み明けの配信は無事終了した。




