59.励まし
☆龍崎 ルカ
「ソラちゃんが負けた!?」
ディスプレイで、ソラちゃんとデス抹茶さんの試合を見ていた私とココロちゃん。
その試合内容は、実に一方的だった。
ソラちゃんが弱いんじゃない、デス抹茶さんのエラードラゴンが強すぎるんだ。
「なんだよ、あの強さは! 前年度よりも強く感じたぜ!」
私もそう感じた。
いや、年数が経っているから、実際に強くなってるのは自然か!
そして、私とココロちゃんが話していると、ノック音が聞こえた。
その後の声で、それがソラちゃんだということが分かった。
ソラちゃんが、私達の控室の中に入る。
「はは……負けちゃいました。あんなにかっこつけたのに……」
ソラちゃんはわざとらしく笑った。
なんて声をかけていいか分からないけど、1つだけ言えることがある!
「ソラちゃん! 上手く言えないけど、これだけは言いたい! 私達は優勝するよ!」
絶対はないけど、でも、優勝したいしするしかない!
「だな! カタキは私達がとるぜ!」
ココロちゃんも、優勝する気だ!
でも、カタキって……?
「試合前、なんか変なこと言われたんだろ?」
「え?」
私は首を傾げる。
だが、ココロちゃんはソラちゃんに続けて言う。
「試合前、マイクには入らなかったが、デス抹茶さんになにか言われたんだろ?」
「うぅ、鋭いですね……」
なんか悪口言われてたってこと!?
「実は……」
ソラちゃんは試合前と、それに加えて試合の最後の方に言われたことも、私達に話してくれた。
「それは傷つくな……」
「な、なんだってー!?」
私は思わず叫んでしまった。
試合前に精神攻撃とか、ひどいでしょ!
いや、そういうのも戦法として、ありなのかな……?
よくわからないね。
でも、戦法としては有りでも、普通に傷つくのは確かだ!
それにしても……。
「なんでソラちゃんにそんなこと言ったんだろう?」
デス抹茶さんは無口な人だったハズなのに、なんでだろう?
「それは私も分かりません。しかし、別にあの人は間違ったことは言っていません。私は確かにUtubeで、ダンジョン配信者として1年活動していても、チャンネル登録者数は11人でした。そして、実際に私が探索者の間で有名になれたのも、ルカさん達のおかげです……」
ま、まずい!
私は今まで色んなアニメを見てきたから分かるけど、このパターンは、あまりよくない感じだ!
このままだと、小物の悪役みたいな末路になってしまう可能性が……!?
そんなの……。
「駄目だよ!」
「そうだぞ! 運も実力の内だし、それに私もルカのおかげで有名になれたってだけだしな。それにソラは私達にとって、Utubeの先輩ってことは同じだからな! 私とルカはUtubeに関しては完全に素人だ……。まだまだソラに教わるべきことも沢山ある」
ココロちゃんの言う通り!
特に、私はなにも知らないのだ!
「自信持っていいんですか……?」
「当たり前だろ!」
ココロちゃんが、ニヤリと笑いながらそう言った。
私は腕を組みながら、うんうんと頷いていた。
「ありがとうございます! よしっ! ではでは! 最後までお2人を応援しちゃいますかね!」
元気になったみたいだ!
絶対にデス抹茶さんに勝って、優勝する!
あ、でも!
「次の対戦相手は師匠の相棒、ヘラクレスだ!」
「ああ……強敵だな!」
準決勝で勝たないと、どのみちデス抹茶さんとは戦えない!
デス抹茶さんもそれは同じだけど、多分決勝までコマを進める可能性が大だろうね。
それにしても……まだあの技、ヘラクレスの赤い竜巻の攻略方法は見いだせてない。
どうすれば……!
☆
「では、準決勝は青メッシュ選手と、ブラックノヴァ選手です!」
準決勝の時間になったので、私達はフィールドに立つ。
目線の先には師匠とヘラクレスがいた。
「まさか準決勝で当たるとはな」
「熱い展開だね! それに、その白い羽のヘラクレス、あの時倒したんじゃなかったんだね!」
「そうだ。珍しいから仲間にした。そして、特訓もした。だから勝ちに行く」
私は【魔法少女】で魔法少女形態に変身すると、指定の位置につく。
ヘラクレスも同じく、指定の位置についた。
そして、カウントダウンがスタートし、それが0になる。
「それでは、試合開始です!」




