58.ソラvsデス抹茶
次の対戦相手は、「イヌムスメ」さんだ。
私達のすぐ次の試合だったから、イヌムスメさんの1回戦は見られなかったけれど、情報収集はバッチリ!
そう、休憩所で情報収集を行ったのだ!
「グルルルルル!」
そして今は、2回戦。
今私はスキル【魔法少女】を使用し、見た目ドラゴンな魔法少女形態に変身している。
そんな私の目の前にいるのは、フェンリルだ。
またフェンリル!? って思ったけど、フェンリルは人気モンスターらしく、フェンリルをテイムしている人は多いみたい。
ココロちゃんに聞いたら、強いしモフモフしてるし、かっこいいっていうのが理由みたい。
「ポチ! 【カイゼルウインド】よ!」
フェンリルは、指示に従い、技を繰り出してきた。
凄い巨大な風の刃だ!
私はそこに突っ込む。
「えーっ!? 効いてないの!? だったら、【ビッグファイアボール】!」
巨大な火球がフェンリルの口の中から発射された!
こっちも火球だ!
【マジカル☆ファイア】!
相手の火球よりも小さな、バランスボールくらいの大きさの黒い火球が、私の口から発射された。
いっけええええええええええええええええええ!!
「ギャオーン!?」
相手の火球は私の火球に押し負け、全てが黒炎となると、フェンリルの方に向かっていきフェンリルはそれにヒット。
爆発を起こし、フェンリルのHPは0となった。
☆
これで私達は2回戦も突破だ!
今は控え室で休憩している。
ディスプレイで師匠の試合を見ていたけど、1回戦と変わらず、あの謎の赤い竜巻で勝負を決めていた。
「おっ! ソラの試合が始まるな!」
「相手はチャンピオンだね……!」
ソラちゃんの姿がディスプレイに映し出された。
ソラちゃんの2回戦の相手は、全てのテイマーズグランプリで優勝をおさめている、通称チャンピオン……デス抹茶さんなのだ!
☆吉村 宇宙
うぅ……緊張します。
1回戦は相性が良かったので、運よく勝てましたが、今回は流石にキツそうです……。
ですがルカさんとココロさんには、決勝で会おうと言ってしまったのです!
勝ちに行きます!
「よろしくお願いします!」
試合前に、お互いフィールドの中央で挨拶をします。
私はデス抹茶さんに頭を下げたのですが、デス抹茶さんはなんのアクションもありませんでした。
無視されるのは慣れているので別にいいんですけど。
なんてったって約1年Utubeをやっていて、チャンネル登録者数11人でしたからね。
最初のころなんかはずっと、0再生でしたからね!
それよりも敵として認識されていないような気もして、そっちの方がショックですね。
「試合前に、1つ訊いていいか?」
「えっ!?」
あの無口なデス抹茶さんが、私に質問を!?
私は「いいですよ」と、頷きました。
「チャンネル登録者があんなに少なくて、よく継続できたな。才能がないのに」
精神攻撃ですか!?
「あっ、勘違いしないでくれよ? 悪く言っている訳じゃない。ただ単によく続けられたなって思って。例えばさ、チャンネル登録者を買ったりしたいと思ったことはないの?」
チャンネル登録者を買う。
つまりは外部サービスを利用して、不正にチャンネル登録者を増やすと言う手段のことですね。
「それはUtubeの利用規約で禁止されています!」
サービスを使わせて貰っている身ですので、ルールは守らないといけません。
そして、それを聴いたデス抹茶さんは「ふっ!」と笑いました。
「“利用規約で禁止されているから”、が理由か……ハハッ、君は私と似ているね」
なにがですか……?
よく意味が分かりませんでしたが、動揺はしません!
精神攻撃は効きませんよ!
「まぁいいや、始めようか」
お互い、フィールドの端に行き、モンスターをカードから召喚します。
「ライム! お願いします!」
私はメカキメラである、ライムを場に出します。
普段は子犬くらいの大きさですが、大きさを変えることができます。
基本的に戦闘の際には、2mくらいの大きさになります。
これ以上大きくするのは厳しいです。
そして、デス抹茶さんはエラードラゴンというドラゴンを召喚しました。
深緑色のドラゴンです。
大きさはライムと同じく、2mくらいですね。
そして、試合開始の合図をされたので、私はライムに指示を出します。
「尻尾の剣で攻撃してください!」
ライムの尻尾は剣になっていますので、それでの攻撃です。
ですが、エラードラゴンは動きません。
一体なぜ……?
まさか、攻撃をそのまま受ける気ですか!?
ライムの尻尾ソードが、エラードラゴンの体を斬りつけます!
「え?」
効いていない!?
モロに攻撃をくらっても、まるで平然としています!
「……やっぱりその程度か。君はチャンネル登録者が11人の時から、何1つ成長していない。お友達のおかげで有名になっただけで、その他は何1つ変わってない……エラードラゴン、やれ」
「ワオン!?」
「ライム!!」
一瞬のことでした。
ライムが両手で掴まれ、エラードラゴンの口から出た白い光線を至近距離で受けました。
「ワン……」
HPは0になりました。
まさか一撃でやられるとは、流石に想定していませんでした。
試合は終了の合図がされる前に、私はライムをカードに戻しました。
「ライム! よく頑張りましたね! ありがとうございます! カードの中で休んでてください!」
私はカードを抱きかかえます。
「負けてしまいました……」
負けたのは悔しいですが、このフィールドでダメージを受けても、痛みもありません。
ですが……ルカさん達との約束は果たせませんでした……。




