47.レンタルダンジョンで特訓する
☆龍崎ルカ
「よしっ! 今日は思う存分暴れるぜ!」
「うん!」
今日は日曜日。
私とココロちゃんの2人でダンジョンに来ている。
目的はそう、特訓!
テイマーズグランプリに向けての特訓だ!
なんだか、少年漫画みたいだね。
「それにしても、師匠にはホント感謝だよな!」
「そうだね!」
私達は、一般の人からはそうでもないんだけど、ダンジョン探索をしている人達からすれば有名人だ。
だから落ち着いて極秘の特訓ができる場所を、探していた。
裏山のダンジョンがそうだったんだけど、私がぶっ壊しちゃったからね……。
その話を師匠に話すと、ソラちゃん含めて、私達にいいものをくれた。
◇
『レンタルダンジョンチケットだ。お前らにやる』
『レンタルダンジョンチケット? レンタルダンジョンってなに?』
『ああ。レンタルダンジョンっていうのはだな、最近できた半人工ダンジョンだ』
師匠の話をまとめると、ダンジョン拡張系のスキルを持った人達が集まって作ったみたいで、ネットカフェとかのダンジョン版みたいなものらしい。
広さは結構あるんだけどモンスターが出現しないから、モンスターを沸かせるには、別料金を支払う必要がある。
秘密で特訓したい人達向けに商売を始めたら、一気に人気になったみたい。
ちなみにこのチケット、結構お高いらしい……。
『そんな悪いっすよ!』
ココロちゃんが言った。
確かに、無償で貰うのはちょっと……。
そんな遠慮がちな私達に向けて、師匠は「ふっ!」と笑う。
『気にするな。この前、ホットケーキとかを奢ってくれた礼だ。まぁ、その他にも色々あるが……』
と、師匠が言うと、私達はそれを強引に渡された。
『それに、テイマーズグランプリ……お前らも出るんだろ? ライバルには、万全の状態でいてもらわなくては困るからな』
『“も”ってことは、師匠も出るの!?』
『まぁ、最初は迷ったがな』
◇
ってことで、私達にチケットをくれたのだ!
それにしても、師匠にも相棒のモンスターがいたんだね。
どんなモンスターなんだろう?
「それにしても、私達のクランメンバーのほとんどがライバルか……なにもできない自分が悔しい!」
ココロちゃんは自分の顔の近くで拳を握りしめ、それを小刻みに震わせた。
「なにもできなくないよ! ココロちゃんがいないと私は参加できなかったんだから!」
「でも、指示も必要ないだろ? 立ってるだけになっちまう」
「ココロちゃんはテストの点数も凄いし、指示してくれた方が勝てるかも!」
私は5教科合計120点の実力の持ち主なんだけど、ココロちゃんは480点の実力を持っているからね。
けど、ココロちゃんは首を横に振った。
「戦い方ってのがあるからなぁ。私の作戦がルカに合うか分からない。後ぶっちゃけ戦った本人がその場その場で行動した方がいいだろ!」
「そうかな?」
でも、ココロちゃんが言うのなら、そうなのかもしれない!
けどそうすると、確かにココロちゃんの仕事が減っちゃうかもしれない……あっ! そうだ!
「予選のテイマークリスタル、お互い別れて集めない?」
予選はテイマークリスタルを8個集めなくちゃならない。
本来モンスターとテイマーは離れない人が多いと思うけど、私達は別れて捜索することが十分に可能だ!
それに、賭けの勝負ではモンスター同士しか戦っちゃいけない決まりはない。
つまり、私が賭けバトルをしている間に、ココロちゃんが別な場所で賭けバトルをしても問題はないのだ!
私はそれをココロちゃんに伝えた。
「確かに! それならいいな! それに、私もあれからまた強くなったからな! 丁度いいぜ! しかも、新しい技もあるんだぜ!」
「新しい技!?」
技を覚えられる技の書を、またゲットしたんだね!
「とにかく特訓だ! モンスターを沸かせてもいいか?」
「うん! って、なんだか結局いつも通りだね!」
こうして私達は追加有料サービスでモンスターを沸かせて、経験を積んだ。
ちなみにモンスター沸かせるのは10分3000ゴールド。
ダンジョン内通貨でいいのは嬉しいけど、少し高いかも?




