27.錬金釜をゲットしよう!
「私メロンソーダ!」
「私コーラ」
私とココロちゃん、ソラちゃんの3人で、学校裏の山にある不人気ダンジョンに来ていた。
今回の目的はダンジョン探索ではなく、ちょっとしたティータイム? が目的で来ている。
「お待たせしました! メロンソーダとコーラです!」
机代わりの岩に、緑色の液体と、茶色い液体が入ったコップが置かれる。
私とココロちゃんは、それを飲む。
「美味しい!!」
「美味しいな」
実はこれ、ポーションを作る技術を応用して、ジュースが作れないかという実験だったのだ。
実際に美味しいジュースが出来上がった。
炭酸もいい感じだね!
ソラちゃんも、椅子代わりの岩に座り、雑談を開始した。
「そういえばそろそろゴールデンウィークだね。皆は予定ある?」
「そうだなぁ、ゴールデンウィーク前半は家族でお出掛けだな」
「いいなー! ソラちゃんは?」
するとソラちゃんは、ミルクティーのようなものを飲み込んだ後、口を開いた。
「【錬金釜】を手に入れようと思います!」
「錬金釜って?」
「大きな釜です!」
お風呂配信とかやるつもりなのかな?
「あっ! でもただ大きいだけではありません! これによって錬金術の幅がグッと広がるのです! 今は液体系のものしか作れませんが、他にも色々作れるようになります! 錬金術師としては必須とも言われている重要アイテムです!」
それって……!
「お菓子とかも作れるの!?」
「え? ええ、まぁ、作れると思います!」
「やったー!」
これは期待大だね!
でも、大丈夫かな?
「ソラちゃん、1人で大丈夫?」
「まぁ、怖いですけど、なんとかします! ポーション飲みながらゾンビ戦法って奴です!」
うわ、それ絶対途中で後悔する奴だよ。
ってことで、私はソラちゃんに提案した。
一緒に行かない? って。
実はソラちゃんにはここ数日ずっとジュースをご馳走になってるからね!
それに、錬金釜が手に入ったらお菓子食べられるからね!
結果、ソラちゃんは喜んでくれた。
そして、ゴールデンウィーク2日目に2人でそこに行くことになった。
錬金釜が入手できるダンジョンは、色々あるみたいだけど、今度私達が行くのは上野の動物園の近くにあるダンジョンだ。
☆
そして当日。
「いやぁ、楽しかったですね!」
今、私とソラちゃんは上野にある動物園を堪能して、ダンジョンへと向かっている途中だ。
メインの目的はダンジョンだけど、ゴールデンウィークだからいいのだ!
「ソラちゃんってやっぱり動物好きなんだね!」
「そうですね! かわいいですからね!」
「なんか飼ってるの?」
「いえ、確かに動物は好きですけど、私はダンジョン内で活動することが多いですからね。寂しい思いをさせてしまうので、飼ってはいません。ですので、モンスターをテイムしたかったんですけどねぇ……」
「そうだったんだ……」
今回のダンジョンで、そういうモンスターと出会えればいいなぁ。
ソラちゃんにはお世話になってるし、なんとかしたい!
「ちなみソラちゃんはどんなモンスターが好きなの?」
「基本的にはなんでも好きですけど、一緒に配信してくれてかわいい子がいいですね。後強ければソロでのダンジョン探索ができるので、ドラゴンとかが理想ですね。まぁ、ドラゴン系はレアモンスターなので、出会う確率は低く、更にはテイムしようとなるとほぼ不可能ですけど」
なるほど。
ちなみにテイムってどうやるんだろう?
ソラちゃんに訊いてみた。
すると、黒い手袋を取り出し、説明してくれた。
「テイムのやり方ですか? このテイムグローブを使って、テイムと叫べばテイムできます。いや、できるとは限りませんが……」
「モンスターをゲットするゲームみたいな感じで、ゲットできる確率とかあるのかな?」
「確率と言いますか、モンスターの方が認めてくれないと駄目みたいです」
「じゃあ、とりあえず片っ端からテイムしてってみる?」
「それはできませんね……。実はこのテイムグローブ、後2回しか使えません……」
「そうなの!? あっ、でもまた買えば! 私もゴールド出すよ!」
「それは難しいでしょう……」
どうやら昔よりも、テイムグローブの価格が高騰して、更には希少品になっちゃったみたい。
ダンジョン配信者が増えた影響があるみたいだね。
ペットブームみたいな感じなのかな?
っと、ダンジョン前まで来たね。
「早速入ろうか!」
「はい! 行きましょう!」
私達はダンジョン内へと入ると、至る所が機械でできたダンジョンが広がっていた。
人の手は加えられていないみたいだけど、なんで機械なんだろう?
「なんだかワクワクしますね!」
「機械好きなの?」
「はい! 実は私、ロボットも好きでして! プラモデルとかもたまに作っています! と言いましても簡単なものをそのまま組んでいるだけなので、ガチな方には全然及びませんが」
「そうなんだ! 私だったら不器用過ぎて絶対完成させられないよ!」
「今のプラモデルは親切設計なので、大丈夫ですよ! それにロボットだけじゃなくて、ドラゴンとか魔法少女のプラモデルもありますからね」
「えっ!? 魔法少女って……女の子のプラモデルとかあるんだ! お小遣いに余裕ができたら、買ってみようかな!」
と進んで行くと……。
「ギャアアアルゲエエエエイ!!」
2mくらいの機械でできた怪獣が現れた。
「ソラちゃん下がってて! マジカルチェンジ!!」
機械のドラゴン好きです。
☆
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