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第八十二話 「習得値」


 サナは風呂場で昼ご飯の準備をしている。

 コンロを二個置ける広さがある水場はラブホテル内には風呂場しかないからだ。


 つい先ほどまでは買った調理用具や食器類を同じく風呂場で二人して洗っていた。

 淫魔法【淫具召喚】の中に中性洗剤があったのでラブホテルに備え付けの使い捨てボディスポンジを使って洗い、洗浄用の水は後で乾かすのが面倒だから、以前サナの肌襦袢を洗った時のように淫魔法【ウェット&メッシー】で温水を出して洗ってゆすいだあと、魔法をキャンセルして温水と洗剤を飛ばして乾かした。


 お昼ご飯の準備の準備ができた後はサナにおまかせだ。

 手伝おうか?と聞いてみたが全部自分でやりたいらしい。

 自分ができることが増えて嬉しい様子だ。


 そんなわけで今は一人、ベッドに横になりながら考え事をしている。

 考えなきゃならないことは色々あるのだが、サナと相談した方が早いことの方が多いので、とりあえず先延ばしにしてた、ステータスの中の【習得値】について考える。


 種族特性【ドレイン】がランク2になって以降、体力や魔力のほか敵から吸えるようになったものが【経験値】と【習得値】の二つなのだが、もう片方の【経験値】は当然レベルアップに自動的に使われるが、【習得値】はスキルランクを上げるために使うらしい。くらいしか現在は分かっていない。


 今所有している【習得値】の数字自体はドレイン【習得値】のほか、レベルアップでも一定の数値を貰えるので、結構いい数字になっている。


 ドレイン【スキル】で重ねて吸った時にデミオークのスキル【絶倫】がランク2になったように、それぞれのスキルにはランクがあるのはわかるし、おそらくそれを回数使うとか使いこなすとランクが上がるであろうことも想像できる。


 ただ、この【習得値】の使い方が分からない。

 なんとなく、『レベルアップに伴って与えられる割り振れるスキル値』みたいな気はするのだが、どうやったら割り振れるかがわからないといった感じだ。


 とりあえず所有しているスキルに何か解決方法がないかな?と思いながら、メニューからスキル一覧を眺めている。


 そういや淫スキル【ナルシスト】って、最初にメニューのステータスを使えるようにした時以来使ってないな。

 そう思って、メニューの方ではなく淫スキル【ナルシスト】の方から自分のステータスを確認しなおしてみる。

 淫スキルという大枠でランク2に上がっているので、このスキルも今はランク2だ。


 あ、こっちだと習得済みだけじゃなく習得中のスキルも表示されるのか。

 【交渉】はもう少しでランク1になりそうなくらいにスキルの横のゲージが上がっている。

 ギルドマスターやロマさんとの交渉でだいぶん習得値を稼いだっぽい。

 相手が格上だったので習得値の入りも良かったのだろう。


 あと【格闘】や【槍術】、【回避】は上げたいところだな。

 地味に【精技】が結構上がっている。

 種族特性【ドレイン】が【格闘】依存なのか【精技】依存なのかが気になるところだが急所狙いの際は後者な気がする。


 ん?このゲージの横にプラスとマイナスの表示があるぞ?

 試しに【交渉】の横のプラスを選んでいくと、ゲージが進んでいき


>スキル【交渉】をランク1にすることが可能です。

>ランク1にしますか?

>なお、ランクを上げた際に使用した【習得値】は減少できません

>[はい] [いいえ]


 と、システムメッセージが出た。


 なるほど、ここで使うのか。

 淫スキル【ナルシスト】は自己ステータスを見るだけじゃなく、【習得値】を割り振れるスキルでもあったのか。

 ランク2になったせいかもしれないが、もっと先に使っておけば良かった。


 淫スキル【ナルシスト】で表示される情報には、よく見ると次ページがあり、そこにはサナのステータスも表示されるようになっていた。

 種族特性【眷属化】と『淫魔の契り』の効果で自分の一部という認識なんだろう。

 これは相当ラッキーだ。


 ただでさえ命中率の高いサナの射撃を上げることもできる。

 あと気になるのが【魔力操作】スキルだ。

 スキルの並び順から考えると一番最近覚え始めたスキルのようだから、携帯用コンロに魔力を充填した時にフラグが立ったのだろう。

 スキル欄から説明を見ると魔術の習得や魔法の使用に使う基礎スキル扱いのようだ。

 魔術と魔法がどう違うかはそのうち調べよう。


 どのみちサナのステータスなんだから、これは本人と要相談だな。

 まずは自分のスキルから調整してしまおう。

 習得中のスキルを全部上げるほどの【習得値】はまだないので、優先度を設定して自分のスキルを上げていこう。

 と、いっても特性【エロゲ】と【ビジュアライズ】はランクの対象外らしいし、淫魔法や淫スキルを含む種族特性と種族スキルは自分自身のランクアップに伴い自動的にランク2になっている上、それ以上は今は上がらない様子なので、実際調整できるのは通常のスキルのみだ。


 現在習得している通常スキルは【共通大陸語】、【鬼族語】、【突進】がスキル1で、【絶倫】だけがランク2になっている。

 ランクを上げると使い勝手が変わりそうな気はするが【突進】はまだ上げるほどの必要性はないな。

 どうせ敵からドレインしていれば上がるだろうし。

 同様の理由で【絶倫】もパスだ。


 通常のスキルは男の身体でも使えるのを考えると、戦闘系スキルを上げて安全マージンを取っておこう。

 通常スキルのランクは現在のレベルランク+1まで上げられるらしい。

 【格闘】、【回避】、【槍術】、【精技】をランク3まで上げてしまう。

 防御系スキルだと【盾】もあるのだが、今のところ盾を使う予定は無いので見送った。

 というか、スキル無しからランク3まで上げるには結構【習得値】使うので、これ以上は無理だ。


 もうすぐレベルランクも2になるサナのスキルもマックスを狙うなら【射撃】は活かしつつも、ステータス適正を考えたスキル構成にしないと【習得値】は結構カツカツだ。

 サナの魔法適性も気になるし、一度、魔法や魔術について調べておいた方がいいかもしれない。


 ちなみにサナの【調理】スキルは、もうちょっとでランク1になりそうだ。

 レベルでもランク1が一人前の証だというような事を前にサナが言っていたが、スキルもそうなんだろうか?

 サナの料理の腕的に考えると十分一人前だと思うのだが、ひょっとしたらスキルのランクは職業とした場合に一人前くらいの感覚なのかもしれない。


 「お父さんお待たせー。」

 そんなことを考えているところにサナの声が聞こえた。

 どうやらお昼ご飯が出来たらしい。


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