表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺Tueeee物語  作者: おおきなダディ
2/13

女神

 私には戦う力なんて無いし、勇者とか言われても役には立たないと思うんだけど。


(そうかもしれません。しかし、そうではないかもしれません)


 ……どういう意味?


(貴方は私の召喚によって喚ばれました。つまり、勇者の素質があるのは間違いありません)


 あんたが勝手に呼んだんじゃないの?


(申し訳ないとは思っています。しかし、他に手段がありませんでした)


 神様なのに?


(長き時の果てに、私は力の大半を失いました。魔王の封印も維持できないほどに)


 ふうん。

 で、魔王ってのは?


(この世界を破壊しようとする者です)


 なぜ破壊しようとするの。


(魔王だからです)


 なにそれ。


(神が世界を創ることに理由はなく、魔王が世界を破壊することに理由はありません)


 どういうこと?


(世界の理が、そうなっているのです)


 あなたは理そのものではないの?


(違います。世界を創ったのは私ですが、私は私を創っていません。そして、魔王も)


 なるほどね。

 いや、あまりよくわからなかったけど。


 それで、私は何をすればいいの?


(魔王を倒して下さい)


 ……私を元の世界に戻して。


(できません)


 できない?


(魔王を倒してもらうまでは、それはできません)


 それってひどいんじゃない。

 勝手に呼んでおいて、要求だけして、帰せないの?


(本当にすみません)


 どうしても魔王を倒さなきゃならないのね。


(そうです)


 私にはなにができる?


(貴方にできることならなんでもできます)


 そうじゃなくて、魔法とか、剣とか。


(貴方にできることしかできません)


 ……つまり、魔法とかは使えない?


(これから学べばわかりませんが、今は無理でしょう)


 わかった。

 つまり、私はただの女子大生で、そのままの力でこれから戦争しなきゃならないのね。


(そうなります。ただし、魔物を倒せばレベルが上がります)


 レベル?

 RPGみたいに敵を倒せば強くなるの?


(はい。魂のレベルがあがれば、それだけ肉体の質も向上します。肉体を鍛えることでもレベルが上がりますが)


 つまり、健全な精神には健全な肉体が宿る?


(そうとも限りませんが、おおまかに言えばそうです。生命を賭して戦えば、魂の質も上がりやすい)


 ちなみに、死んだらどうなるの?


(……大地に吸収されるのではないでしょうか)


 いや、そうじゃなくて、生き返るとかそういうのはないの?

 勇者特典とか、神様の加護とかで。


(人間は死んだらそこで終わりです)


 ……そりゃそうよね。

 そうなったら、神様はどうするの。


(次の勇者を召喚します)


 その勇者、今呼んでもらう訳にはいかないの?


(勇者は一つの世界に1人です。貴方がいるうちは、呼べませんし、新しく生まれることもありません)


 ……つまり、私が死んだら次が呼べる。

 使い捨て勇者ってわけね。


(貴方が魔王を倒してくれることを願います)


 神様も願うのね。


(人が私に祈るように、私は人に祈ります)


 そっか。


(そうです)


 これから付き合い、長くなるのかな。


(そうなりますね)


 名前、教えてよ。


(イルヴァ。女神イルヴァです)


 よろしく、イルヴァ様。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ