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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
下巻・第一章 国王軍、ソワソンからコンピエーニュへ/詩と予言

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下1.3 ランス市民の不安とジャンヌの手紙(2)

(※)手紙の本文は、前回を参照してください。

 手紙の書記を務めた修道士パスケレルが、口述された内容を忠実に書き留め、ジャンヌ・ラ・ピュセルの言葉そのもの、ロレーヌ方言まで再現したことは間違いない。


 ジャンヌは当時、すでに英雄的な聖人として最高潮に達していた。


 この手紙の中で、ジャンヌは自分自身に超自然的な力を与えており、国王とその顧問と隊長たちがこれに従わなければならないと宣言している。

 条約の承認または破棄する権利をみずからにのみ帰属させ、軍隊の指揮権も完全に掌握している。そして、天の王の名において命じているため、ジャンヌの命令は絶対である。


(⚠️念のため補足:ジャンヌはそう思っているが、実際は違う。王も評議会も、軍の幹部たちも、ジャンヌが思っているほど権限を与えていないし、「声」の助言に影響されていない)


 神の使命を託されたと自認するすべての人に必然的に起こる現象が、ジャンヌにも生じている。


 すなわち、彼らは既存の権力を超越する「上位の精神的かつ世俗的権力」をみずからに与え、それゆえ必然的に(既存の権力に)敵対する存在となった。


 これは危険な幻想であり、衝撃を与えるものだ。

 そして、その衝撃で最も苦しむのは大抵、啓示を受けた本人である!





 聖人や天使たちと暮らし、語り合い、勝利の教会(天国)の輝きの中で過ごす日々の中で、この若い農民のジャンヌは、すべての力、すべての思慮、すべての知恵、すべての助言が自分の中に宿っていると信じるようになった。


 これはジャンヌが知性に欠けていたことを意味するのではない。

 むしろジャンヌは、「ブルゴーニュ公が使節団を派遣して国王を翻弄している」こと、「シャルル七世は、華麗さに偽装した狡猾さを心得た君主(ブルゴーニュ公)に欺かれている」ことを正しく見抜いていた。


 フィリップ公(ブルゴーニュ公)は平和の敵だったわけではない。それどころか平和を望んでいたが、イングランドと公然と争う事態を避けたいと考えていた。


 ジャンヌは、ブルゴーニュとフランスの事情をほとんど知らなかったが、その判断力は決して鈍くなかった。


 フランス王とイングランド王の立場については、争いの原因が「王国の領有権」にある以上、「両者の合意は不可能」だと、ジャンヌの考えは極めて単純だが正確に理解していた。


 同様に、フランス王とその最大の家臣であるブルゴーニュ公との関係についても、正確な見解を示している。「両者の和平は可能」であり、望ましいだけでなく、相互理解を築くことが必要不可欠であることを。


 ジャンヌはすでに、「ブルゴーニュとの和平」および「イングランドとの和平」について極めて率直にこう述べている。

 前者については、書簡と使節を通じて「国王と和解するように」と要求した。

 その一方で、後者と和平を結ぶ唯一の方法は、彼らが「祖国イングランドへ帰還する」ことであると。[18]

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