表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十六章 パテーの戦い/イタリアとドイツの神学者の考察/ジアンの軍勢

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

160/183

16.12 シャンパーニュ遠征計画(2)巧妙な根回し

 祝福されたランスにたどり着くには、敵対地域を250マイル(約402キロ)も横断しなければならない。


 だが、しばらくの間は、道中で敵に遭遇する危険はないだろう。

 この頃のイングランド軍とブルゴーニュ軍は兵力に乏しく、新たな軍隊を編成するために、なりふり構わず、あらゆる手段を講じて兵士の徴募に奔走していた。


 当面の間、フランス軍は敵を恐れる必要はない。


 豊かなシャンパーニュ地方は、まばらに森林が生い茂り、耕作が行き届き、穀物とワインが豊かで、肥えた牛がたくさん放牧されていた。[1338]


 シャンパーニュは、ノルマンディーのように荒廃していなかった。


 期待通りに、善良な町々が食料を供給してくれさえすれば、遠征中に兵士たちが困窮する事態にはならないと考えられた。シャンパーニュ地方の人々は非常に裕福で、納屋には穀物があふれている。


 ヘンリー六世に忠誠を誓っているものの、イングランド軍やブルゴーニュ軍に愛情の絆はなかった。


 彼らは自治を守り、自分たちで町を統治していた。

 裕福な商人たちは平和を望み、それを実現するために最善を尽くしていた。


 オルレアン解放とロワール流域の掃討によって、シャンパーニュの人々は「アルマニャック派が勢力を盛り返しているのではないか」と思案し始めていた。そして、言葉で訴えかけることができる、つまり交渉可能な聖職者やブルジョワジーを多数抱えていた。


 ようするに、大砲や地雷(mines)や塹壕を駆使して町を攻撃するのではなく、恩赦、商人への譲歩、聖職者の特権を尊重する約束などを仕込み、交渉によっていかにして彼らを丸め込むか、あるいは町を迂回するか、が問題だった。


 シャンパーニュでは、行軍中に掘立て小屋(塹壕や堡塁)で朽ちたり、砦で焼かれたりする危険はない。


 町の人々は、愛情または恐怖から門をひらき、主君である国王に金品を提供してくれる望みがあった。



 シャンパーニュ遠征の計画は事前に準備され、非常に巧妙に根回しされた。

 トロワとシャロンとの通信はすでに始まっていた。


 ランスの有力者たちから、手紙や使者を通じて「もしシャルル王が来れば喜んで町の門をひらく」旨を伝えられた。さらに、3〜4人の市民が歓迎の意を表明した。


「安心してランスへお越しください。もし、あなたが町に入れないとしたら、それは私たちの責任ではありません」[1339]


 このような保証を得て、王室評議会は勇気づけられ、ついにシャンパーニュへの進軍が決議された。



(⚠️ランス市民の態度について補足:市民はシャルル七世の来訪を歓迎しており、町の門をひらくために最善を尽くすが、「私たちの責任ではない」と付け加えることで、敵に妨害される可能性があることを示唆している。ようするに、不測の事態が起きたときに、市民が責められないように予防線を張っている)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ