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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十六章 パテーの戦い/イタリアとドイツの神学者の考察/ジアンの軍勢

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16.8 評議会の選択肢(1)パリ進軍ならず、長期化へ

 ジャンヌはあいかわらず、「国王をランスへ連れて行き聖別式を受けさせる」という決意を守り続けていた。[1315]


 彼女は、ノルマンディーよりもシャンパーニュで戦う方がよいかどうかを検討するために立ち止まることはなかった。そのような問題を判断できるほど国土の地形を知らなかったし、彼女の聖人や天使たちがジャンヌよりも地理に詳しかったとは考えにくい。


 ジャンヌは、聖油塗りの儀式を受けなければ国王は王になれないと固く信じていたため、急いで国王をランスへ連れて行き、儀式を受けさせようとした。[1316]


 聖油を塗って王を聖別するという考えは、オルレアン包囲戦よりもずっと前に、故郷の村で思いついたものだった。[1317]


 このひらめきは完全に霊的なもので、オルレアンの解放やパテーの勝利によって生じた情勢とはまったく関係なかった。



 この時点で考えられる最善策は、6月18日(パテーで勝利した日)の後、パリへまっすぐに進軍することだったに違いない。


 当時、フランス軍は首都からわずか90マイル(145キロ)の地点におり、この時までパリは防衛する必要性など考えていなかった。摂政ベッドフォード公はパリ陥落も同然と考え、(パリ郊外にある)ヴァンセンヌの要塞に立てこもった。[1318]


 フランス軍は絶好の機会を逃した。


 フランス王の顧問官と血統の諸侯たちは、自軍の勝利に驚き、それをどう活かせばよいか分からず、評議会で協議を重ねていた。

 確かなことは、彼らのうち、シャルル王の遺産すべてを迅速に回復させようと考えた者が一人もいなかったことだ。彼らが自由に使える軍事力と、暮らしている社会の状況そのものが、そのような計画を思いつくことを不可能にしていた。


 国王の大評議会の領主たちは、荒廃した修道院で平和と調和の時代を夢見る、貧困に苦しむ修道士たちとは違っていた。[1319]


 国王の顧問官たちは夢想家ではなかった。

 彼らは戦争の終結を信じていなかったし、望んでもいなかった。


 彼らは、できるだけリスクと費用を抑えて戦争を遂行するつもりだった。武装して略奪してまわる傭兵フリーランスたちは、いつの時代も十分にいるだろうと考えていた。


 町の占領と奪還は続けなければならない。

 一日の苦労はその日だけで十分だ。

 長く戦うためには穏やかに戦わなければならない。

 勇敢な武勇よりも、交渉と条約によって得られるものの方が実入りがいい。

 休戦は巧妙に締結し、慎重に破棄しなければならない。

 いくつかの敗北は覚悟しなければならないし、いくつかの仕事は若者に残しておかなければならない。


 これが、シャルル王の善良な家臣たちの意見(本音)だった。[1320]





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