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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十六章 パテーの戦い/イタリアとドイツの神学者の考察/ジアンの軍勢

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16.2 パテーの戦い(2)鹿狩り

 翌日、18日の土曜日は、狩人の守護聖人・聖ユベールの日だった。


 フランス軍は、敵陣に向かって出撃したがそこには誰もいなかった。ゴドン(イングランド人への蔑称)は朝早くに陣を引き払い、大砲、弾薬、食料とともにジャンヴィルに向けて出発していた。[1275]


 イングランド軍は、そこで陣を構えて待つつもりだった。


 すぐさま、シャルル王の1万2000人の軍隊[1276]が彼らを追撃するために出発した。パリ街道に沿ってボース平野を越えて進んだ。


 そこは森林に覆われ、獲物が多く生息し、茂みや灌木に覆われていた。野趣あふれる荒れ地だったが、イングランドとフランスの騎兵にとって最高に良い狩場で、彼らはここを絶賛した。[1277]


 視界の先に、大地が遠ざかっていくように見える無限の平原を見渡しながら、ジャンヌは目の前の空、平原特有の雲に覆われた空を見つめた。その空は、空の山々での素晴らしい冒険を連想させ、彼女はこう叫んだ。


「神の名において、もし彼らが雲からぶら下がっていたとしても、私たちは彼らを捕らえるだろう」[1278]


 今、ジャンヌは前夜と同じように予言した。


「今日、私たちの美しい国王は、長い間あり得なかったほどの大きな勝利を収める。私の『声』が、敵はすべて私たちのものだと告げている」


 さらに、「フランス軍の死者はほとんど、あるいは全くないだろう」と予言した。[1279]


 ザントライユ隊長とアルノー・ド・グジェム卿が偵察に出かけた。

 フランス軍でもっとも熟練した兵士たち、その中にはオルレアンの私生児卿とブサック元帥がおり、最高の軍馬に乗って前衛(先鋒)を務めた。

 その後を、この辺りの地理に明るいラ・イル隊長の指揮の下、アランソン公、ヴァンドーム伯、リッシュモン大元帥の騎馬隊が、弓兵とクロスボウ兵とともに続いた。最後尾には、グラヴィル卿、ラヴァル卿、ジル・ド・レ卿が指揮する後衛が続いた。[1280]


 いつも熱心なジャンヌは「前衛(先鋒)に加わりたい」と望んだが、引き止められて後方に留まった。


 ジャンヌが兵士たちを導くのではなく、兵士たちがジャンヌを導くのが常だった。兵士たちは、ジャンヌを軍の指揮官と認めていたのではなく、幸運をもたらす者として見なしていた。

 ジャンヌは大いに落胆したが、もともと配置されていたジル・ド・レ卿の後衛部隊に留まらざるを得なかった。[1281]


 フランス軍全軍が、敵が逃げるのを恐れて前進した。


 猛暑の中、12~13マイルを駆け抜け、サン・シジスモンを左手に通り過ぎ、サン・ペラヴィを越えたところで、ザントライユ隊長の偵察隊60~80人は、それまで平坦だった地面が下り坂になり、道が「ラ・レトレーヴ」と呼ばれる窪地に通じている地点に到着した。


 偵察隊は、実際に窪地の様子を見ることはできなかったが、窪地の向こうでは地面が緩やかに高くなっていた。そして、わずか2.5マイルほど先に、クリマ・デュ・カンと呼ばれる樹木に覆われた平原にある「リニュロールの鐘楼」がかすかに見えた。


 彼らの視界の先、1リーグ(約4.8キロ)彼方に、パテーという小さな町があった。[1282]


 時刻は午後2時。

 ザントライユとグジェムが率いる偵察隊の騎兵は、偶然にも鹿を狩るチャンスを得た。追い立てられた牡鹿は茂みから躍り出て、ラ・レトレーヴの窪地へ飛び込んだ。


 すると突然、窪地の底から騒がしい声が聞こえてきた。

 それは、自分たちの手元に落ちてきた獲物を取り合って、大声で言い争うイングランド兵たちの声だった。


 敵の居所を知ったフランス軍の偵察隊は立ち止まり、すぐに部隊の何人かを派遣して、「ゴドン(イングランド兵への蔑称)を奇襲した。戦いを始める好機だ」と軍の本隊に伝えた。[1283]



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