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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十五章 ジャルジョーの戦い/ムンの橋/ボージャンシーの戦い

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148/157

15.11 ボージャンシーの戦い(2)性急な勝利と新たな敵

 若きアランソン公は、すぐに攻撃を開始した。

 ここでもまた、攻撃の矢面やおもてに立ち、包囲戦の準備をしたのはオルレアン市民だった。


 町の行政官たちは、必要な攻城兵器、はしご、つるはし、マトック(つるはしの一種。片方がくわ、もう片方が斧になっており穴掘りも切断もできる)、そしてカメが甲羅の下に隠れるように包囲軍が身を守るための大きなペントハウス(屋根つきの小屋)を、ムンからボージャンシーまで水路で送った。


 また、大砲と臼砲も送ってきた。陽気な砲手、ジャン・ド・モンテスクレール(通称メートル・ジャン)もそこにいた。[1261]


 これらの物資はすべて乙女ジャンヌ・ラ・ピュセル宛てに送られた。

 オルレアンの行政官ジャン・ボワイエヴは、はしけ(荷運び用の平底の船)でパンとワインを運んできた。[1262]


 17日の金曜日は、丸一日を通して、臼砲と大砲が包囲された町に向かって石弾を砲撃し続けた。同時に、谷と川からは、はしけを足場にして攻撃がおこなわれた。


 6月17日の深夜、守備隊を指揮していたエヴルーの代官(Bailie)リチャード・ゲシン卿が降伏を申し出た。イングランド軍は城と橋を明け渡し、翌日には馬と馬具、そして各自が銀貨1マルク以下の財産を持って出ていく条件で合意した。


 さらに、「今後10日間は武器を取らない」と誓約するよう求めた。


 これらの条件で、翌朝の日の出とともに、イングランド兵500人は跳ね橋を渡ってムンまで撤退した。ムンでは、城はまだイングランド軍のものだが、橋はフランス軍が占拠している。[1263]


 大元帥は賢明にも、ムンの橋の守備隊を増強するために少数の兵士を派遣した。[1264]


 リチャード・ゲシン卿とマチュー・ゴフ隊長は、人質として拘束された。[1265]



 実のところ、ボージャンシーの守備隊は降伏を急ぎすぎた。

 守備隊が退却してすぐ、ラ・イル隊長が率いる傭兵部隊の兵士がアランソン公のところへやってきた。


「イングランド軍がこちらに向かって進軍しています。じきに我が軍の目の前に現れるでしょう。総勢1000人の兵士がすぐそこに来ています」


 ジャンヌは彼の話を聞いていたが、何のことか理解できなかった。


「あの兵士は何を言っているの?」


 状況を理解したジャンヌは、すぐそばにいたアルテュール・ド・ブルターニュに向き直ってこう言った。


「ああ、公正な大元帥! あなたが来ることは私の意志ではありませんでしたが、ここにいるからには歓迎します」[1266]


 まもなくフランス軍が対峙しなければならない相手は、(オルレアン包囲戦から撤退したばかりの)ジョン・タルボット卿とあのジョン・ファストルフ卿が率いるイングランド軍全軍だった。



(※)『上巻・第十五章 ジャルジョーの戦い/ムンの橋/ボージャンシーの戦い』完結。

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