表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十五章 ジャルジョーの戦い/ムンの橋/ボージャンシーの戦い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/148

15.9 モン=シュル=ロワール(ムン橋)の戦い

(※)第十五章の章題『ムン橋』とは、モン=シュル=ロワールの戦い(Meung-sur-Loire)のこと。オルレアンの下流18キロ地点に位置する。

次のボージャンシーの戦い(Beaugency)はオルレアンの下流26キロ地点。

 ジャルジョーの奪還により、フランス軍はロワール川上流の支配権を獲得した。

 オルレアンの町をあらゆる危険から解放して完全に自由にするには、ロワール川下流も手に入れなければならない。下流ではまだ、イングランド軍がムンとボージャンシーを占領していた。


 6月14日の火曜日、晩課(夕べの祈り)の時間に軍は出発した。[1245]


(⚠️夕べの祈り(vespers):聖職者がおこなう1日8回の聖務日課のうち、日没時におこなわれる祈り。「晩課」「晩祷」「夕べの祈り」と訳される)



 ラ・ソローニュを通過し、同日の夜、ムンの橋に到着した。

 この橋は町の上方にあり、城壁までは広い牧草地で隔てられていた。


 大抵の橋と同じように、ムンの橋も両端に小さな城塞(castlet)が設けられ、イングランド軍はさらに、オルレアンのレ・トゥーレル要塞と同様に盛り土で防塁(earthen outwork)を築いていた。[1246]


 しかし、イングランド軍の防御は不十分で、フランス王の兵士たちは日暮れ前にムンの橋を占拠した。彼らはそこに守備隊を残し、城壁のすぐ下にあるボース平野まで進んでから野営した。


 若いアランソン公は数人の兵士とともに教会に宿泊したが、平時のように見張りを立てなかった。彼は奇襲を受け、大きな危険にさらされた。[1247]


 町の守備隊は、(オルレアン包囲戦から撤退した指揮官のひとり)トーマス・スケールズと「ウォリック伯の子」が指揮を執っていたが、わずかな勢力だった。


(⚠️ウォリック伯の子(Child of Warwick):ウォリック伯爵はヘンリー六世の養育を務めたリチャード・ビーチャムのことだが、1429年当時、息子はまだ幼児で、上には娘3人しかいない。原文では"the Child of Warwick"とカッコ付きで強調されているので、こう呼ばれる誰かがいたのは間違いない。なお、長女マーガレットは1404年生まれで1425年にジョン・タルボットと結婚。次女エレノアは1408年生まれ。三女エリザベスは1417年生まれ。もし三姉妹の誰かが参戦していたとしたら、ウォリック伯はのちにジャンヌの異端審問を監督したが、男装して戦ったことを理由に有罪にしたとき、内心で何を思っていたのか)



 翌日の早朝、フランス王の軍隊は、ムンの町から大砲の射程圏内を通過してまっすぐボージャンシーへ向かい、午前中に到着した。[1248]


 丘の中腹に建てられた小さな古い町で、周囲をブドウ畑、庭園、穀物の畑に囲まれ、その前を緑豊かなリュー川の谷に向かって緩やかに下っていた。町の正面には、幾度となく占領されてきたにもかかわらず、どことなく誇らしげな外観の四角い塔がそびえ立っていた。


 郊外には何の防御施設もなかったが、フランス軍がそこに入ると、住居や納屋に隠れた伏兵の射手によって、あらゆる種類の矢の雨に見舞われた。両軍で死傷者が出た。

 最終的に、イングランド軍の伏兵は退却して城と橋の砦まで逃げた。[1249]


 アランソン公は、敵の動向を監視するために城の前に歩兵を配置した。


 ちょうどそのとき、ブルターニュの貴族2人、ロストレネン卿とケルモワザン卿が向かってくるのが見え、彼らはアランソン公にこう言った。


「大元帥が、包囲軍に歓待を求めています」[1250]

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ