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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十五章 ジャルジョーの戦い/ムンの橋/ボージャンシーの戦い

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15.5 ジャルジョーの戦い(4)九死に一生を得る

 降伏する者には常に慈悲をかけ、同時に、戦う用意もしていた乙女ジャンヌ・ラ・ピュセルはこう言った。


「もし彼らが望むなら、鎧を着たまま、命だけは助けてジャルジョーから立ち去らせよ! もしそうしないなら、町を攻撃するのみ」[1208]


 アランソン公は降伏の条件を尋ねることさえせず、ラ・イル隊長を呼び戻した。

 彼が戻ってくると、すぐにはしごが運ばれてきた。伝令たちはラッパを鳴らして「攻撃開始」と号令をかけた。


 ジャンヌは軍旗を広げ、全身武装して、頭にはシャペリンと呼ばれる軽装の兜をかぶり、王の兵士や民兵隊とともに、矢や砲弾の射程圏内にある堀へと降りていった。


 アランソン公のそばに寄り添いながら、「進め! 美しい公爵さま、攻撃開始」と言った。


 アランソン公はジャンヌほど勇敢ではなかったので、彼女の行動は性急すぎると感じ、そのことをそれとなく伝えた。すると、ジャンヌは彼を励ました。


「恐れないで。神が決めた時こそが正しい時です。神が望んだ時に、あなたは攻撃しなければなりません。進みなさい。神が道を用意してくれます」


 アランソン公に自信がないのを見て、ジャンヌは最近、サン・フロラン・レ・ソミュール修道院で彼について約束したことを思い出させた。


「ああ、美しい公爵さま! 怖がっているの? 私があなたの奥様に『あなたを無事に連れて帰る』と約束したことを覚えてないの?」[1210]


 攻撃の真っ最中、ジャンヌは城壁に、装填方法から尻込め砲と呼ばれる、細長い臼砲があることに気づいた。それが「王の美しいいとこ(アランソン公)」が立っているまさにその場所に、石弾を砲撃しているのを見て、ジャンヌは危険を察知した。それは自分のためではなかった。


(⚠️王の美しいいとこ:ジャンヌがアランソン公と初めて対面した時、シャルル七世は「いとこ」と紹介したが血の繋がりはない)



「離れて」


 ジャンヌは急いで言った。


「あの砲弾があなたを殺す」


 アランソン公が数ヤードも移動しないうちに、アンジューの貴族であるリュド卿が、今しがた公爵が離れたその場所に立ったために、同じ砲弾に撃たれて死亡した。[1211]


 アランソン公爵は、ジャンヌの予言の才能に驚嘆した。乙女は彼を救うために遣わされたのであり、リュド卿を救うために遣わされたのではないと確信した。


 神の天使は、ある者を救うために、または、ある者を滅ぼすために遣わされる。


 フランス王の兵士たちが城壁に到達すると、サフォーク伯はアランソン公と交渉したいと叫んだ。しかし、彼の言うことは聞き入れられず、攻撃は続いた。[1212]


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