14.13 ジャンヌの信仰生活(1)服装と態度
その間、ジャンヌは修道士たちに取り囲まれ、兵士たちとともに、修道女のように世間から離れて「聖なる生活」を送っていた。
ジャンヌはほとんど飲食しなかった。[1160]
週に一度、聖体拝領を受け、しょっちゅう告解(罪の告白・懺悔)をした。[1161]
ミサの最中、聖体を高く捧げる瞬間、告解のとき、そして聖体拝領の際に、彼女はよく涙を流した。
毎晩、晩課(夜の祈り)の時間になると教会に引きこもり、軍隊についてきた托鉢修道士たちを呼び集めるために、約30分間鐘を鳴らした。それから、修道士たちが聖母マリアを讃える賛歌を歌う中で、ジャンヌは祈りを始めた。[1162]
極端な信心深さにふさわしい禁欲を、できる限り実践しながら、ジャンヌは貴族のような壮麗な衣装を身につけていた。実際、ジャンヌはすでに神から主権を与えられていると見なされていたからだ。
小さな帽子、おそろいのダブレット(上着)とショース(脚衣)、裏地のしっかりした上質な絹と金糸を織り込んだ布のマント、そして足の外側に紐を通した靴を履き、騎士の服装をしていた。[1163]
ジャンヌのこのような衣装を、王太子を取り巻くもっとも厳格なメンバーでさえ、決して不快に思わなかった。
彼らは聖書を通じて、神の啓示を受けたエステルとユディトが装飾品を身に付けた寓話を知っていた。確かにその通りだが、(エステルとユディトが着飾ったのは)イスラエル救済のためにアハシュエロスとホロフェルネスを性的に誘惑することが目的だった。
(⚠️アハシュエロス(Ahasuerus):旧約聖書『エステル記』に登場するペルシャ王。史実では古代エジプト王クセルクセス一世。ユダヤ人に育てられた美貌のエステルを王妃に選ぶ)
(⚠️ホロフェルネス(Holophernes):旧約聖書『ユディト記』に登場するアッシリアの将軍。美しいヘブライ人のユディトに誘惑され、酔いつぶれて首を刎ねられる)
ジャンヌの場合は、「キリスト教国の王に勝利を与える天使」として兵士たちの前に現れるために、男性的な装飾品を身につけていると解釈された。ジャンヌが着飾っているのは、世俗的な虚栄心にとらわれたせいではない。エステルやユディトと同じく、ジャンヌの内心には聖なる国家の利益と神の栄光以外にないと主張された。
その一方で、イングランドとブルゴーニュの聖職者たちは、啓蒙・教化の対象を醜聞に変え、「ジャンヌは服装と態度がだらしない女だ」と主張した。




