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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十四章 トゥールとセルアンベリーのラ・ピュセル/ジャック・ジェリュとジャン・ジェルソンの意見書

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14.4 ジャック・ジェリュの意見書(3)王の行動指針

 この驚くべき状況において、王が従うべき行動指針について。

 ジャック・ジェリュは、「戦争において、王は人間の知恵に従って行動すべきである」という意見を述べている。


「汝の神、主を試してはならない」


 もし人間が自分の使命において、それ(知性)を利用しないのであれば、人間に能動的な精神が授けられたことが無駄になってしまう。


 迅速な実行の前には、長い熟考が必要である。

 神の助けは、女性の願いや懇願によって得られるのではない。

 繁栄とは、行動と助言の成果(賜物)である。



 神の霊感を拒んではならない。したがって、乙女ジャンヌ・ラ・ピュセルの意志は、たとえそれが疑わしく、間違っているように見えても、成就されなければならない。


 もし、乙女の言葉が確かなものであると判明した場合、王は彼女に従い、彼女が託された使命の遂行を神に委ねなければならない。


 もし王に何らかの疑い(疑念)が生じた場合は、人間の知恵よりもむしろ神の知恵に頼るべきである。なぜなら、有限を無限と比較することができないように、人間の知恵を神の知恵と比較することはできないからである。


 したがって私たちは、この子供を遣わした神は、「人間の助言よりも優れた助言を彼女に与えることができる」と信じなければならない。


**


 このアリストテレス的な推論から、アンブラン大司教ジャック・ジェリュは二つの結論を導き出している。


「一方では、戦闘の指揮、兵器、はしご、その他すべての戦争道具の使用、橋の建設、十分な物資の配送、資金の調達、そして奇跡なしではいかなる事業も成功し得ないすべての事柄において、この世の知恵に頼らなければならないことを理解してもらいたい。


しかし、他方で、神の知恵が何か特別な方法で働いていることが明らかな場合、人間の理性は謙虚になり、退くべきである。そのときこそ私たちは、乙女の助言を求め、探求し、受け入れなければならないと私は考える。


命を与える者は、命を支えるための手段を与えてくださる。

神は、働き手たちに、仕事に必要な道具を授けてくださる。


それゆえに、私たちは神を信頼しよう。

神は、王の大義をみずからのもの(大義)とする。

それを支える者には、勝利に必要な知恵を授けてくださる。

神は、いかなる仕事も不完全なままにはしない」


***


 ジェリュは、「乙女が聖なる考えを呼び起こし、敬虔な行いをする」ことを理由に、乙女を王に推薦し、この意見書を締めくくっている。


「王に、神の目にかなうことを毎日行い、それについて乙女と話し合うようにすすめる。乙女の助言を受けたら、それを敬虔かつ熱心に実践するように。そうすれば、神は王から手を離すことなく、王に愛と優しさを与え続けるだろう」[1128]

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