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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十四章 トゥールとセルアンベリーのラ・ピュセル/ジャック・ジェリュとジャン・ジェルソンの意見書

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14.6 ジャン・ジェルソンの意見書(2)信仰と献身を区別する

 この意見書の中で、ジェルソンは終始「信仰(faith)の問題と献身(devotion、信心)の問題を区別すること」に注意を払っている。


 信仰の問題に関しては、疑うことは禁じられている。

 献身の問題に関しては、俗っぽい表現をすれば、不信心者が必ずしも罪に問われるわけではない(献身的じゃないからといって地獄に落ちるわけではない)。


 ある事柄を、信仰の問題として扱うには3つの条件が必要だ。


(1)それは啓発的(教化的)でなければならない。

(2)それは妥当であり、一般の評判や信者の証言で裏付けられていなければならない。

(3)それは、信仰に反するいかなる内容にも触れてはならない。


 3つの条件がそろっている場合、一概に非難したり承認したりするのではなく、教会に判断を仰ぐのが適切である。


 例えば、聖母マリアの受胎、免罪符、聖遺物について。これらは信仰の問題であり、献身の問題ではない。


 聖遺物は、複数の場所に存在し、同時に崇拝されることがある。

 最近、パリ高等法院は、フランスのサン・ドニとパリの大聖堂(2カ所)で崇拝されている聖ドニの頭部について論争した。これは献身の問題である。[1133]


(⚠️聖ドニ(Saint Denys):フランスの守護聖人。パリの司教。パリ近郊のモンマルトルの丘で斬首刑に処せられたが、遺体は斬り落とされた自分の頭を拾い上げ、説教しながら数キロメートルを歩いた。彼が立ち止まり絶命した場所に礼拝堂が建てられ、歴代フランス王の霊廟サン=ドニ大聖堂になった)



 したがって、乙女ジャンヌ・ラ・ピュセルに関する事柄を、献身の問題として考えることは妥当であると結論づけられる。特に、彼女の動機が、国王の王国を回復すること、頑固な敵を正当に追放または滅ぼすことだったと考えれば、なおさらである。


 彼女の無駄話、軽薄さ、狡猾さについても、さまざまな意見がある。

 ならば、今こそカトーの言葉を引用すべきだ。


「世間の評判は、我々の判断基準(裁判官)ではない」


 使徒の言葉によれば、神のしもべを疑うのはよくない。

 判断を差し控えるか、疑わしい点については教会の長にゆだねる方がはるかに良い。


 これは聖人の列聖において、教会が従う原則である。

 聖人のリスト(目録)は厳密に言えば、必ずしも信仰の問題ではなく、敬虔な献身の問題である。


 したがって、いかなる人であっても(ジャンヌの振る舞いについて)厳しく非難するべきではない。



 今回の件についていえば、以下の状況に注目する必要がある。


 第一に、王室の評議会と兵士たちは、彼女を信じて従うよう促された。少女の指揮下で敗北した場合、恥をかく危険に直面した。


 第二に、人々は歓喜しており、彼らの敬虔な信仰は、神の栄光と敵の混乱につながった。


 第三に、敵は、君主さえ隠れており、多くの恐怖に襲われている。

 彼らは、身重の女性のように弱さに屈する。モーセの姉ミリアムが小太鼓を手に、彼女に従う女性たちとともに歌い踊っていたときのエジプト人のように、彼らは打ち倒される。


「主に歌え、主は栄光のうちに勝利を収め、馬とその乗り手を海に投げ込まれた」[1134]


 私たちも、それぞれの立場・状況にふさわしい献身をもって、ミリアムのように歌を歌おう。



(⚠️ミリアム(Miriam):旧約聖書に登場する女預言者。モーセの姉。イスラエルの民を率いてモーセがエジプトを脱出した時、追いかけてきたファラオの軍勢が紅海に飲み込まれた。ミリアムは小太鼓を手に、仲間の女性たちの音頭をとって歌い踊った)


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