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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十四章 トゥールとセルアンベリーのラ・ピュセル/ジャック・ジェリュとジャン・ジェルソンの意見書

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124/147

14.2 ジャック・ジェリュの意見書(1)神の救済が与えられた理由

 1429年5月、王はジャック・ジェリュから乙女ジャンヌ・ラ・ピュセルに関する意見書を受け取った。おそらく王自身は読まず、聴罪司祭が代わりに読んだのだろう。

 かつて王太子の顧問を務め、現在はアンブラン大司教のジャック・ジェリュ[1126]は、当初、王の敵が王を毒殺するためにこの羊飼いの少女を送り込んだのではないか、あるいは彼女が悪霊に取り憑かれた魔女ではないかと恐れていた。


(⚠️アンブラン(Embrun):フランス東南部、イタリアとの国境に近い王太子領ドーフィネにある。アルプス山脈の麓に位置する)



 ジェリュは当初、性急に拒絶するのではなく、乙女を慎重に尋問して注意深く観察することを勧めていた。なぜなら、外見(第一印象)は欺くものであり、神の恩寵は(人に理解できない)神秘的な方法で動くからである。


 しかし、ポワティエの神学者たちの結論を読み、オルレアンの解放を知り、庶民の叫びを聞いた今、ジャック・ジェリュはもはや乙女の無実と善良さを疑わなかった。


 神学者たちの中でジャンヌに対する意見が分かれているのを見て、ジェリュは短い論文を書き上げ、非常に詳細で、非常に謙虚で、非常に価値のある献辞(献呈の書簡)を添えて国王に送った。



 その頃、ランス大聖堂の舗装にはコンパスと定規で迷路が描かれていた。[1127]

 忍耐強く根気のある巡礼者たちは、その曲がりくねった道をすべてたどった。


 アンブラン大司教ジャック・ジェリュの意見書もまた、緻密に計画されたスコラ哲学的な迷路のようだ。


 前進するのは後退するためであり、後退するのは前進するためである。

 だが、十分な忍耐と注意を払って歩けば、完全に道に迷うことはない。


 すべてのスコラ哲学者と同様に、ジェリュはまず自分の意見に反する理由を述べる。反論者の主張にしばらく付き合った後、ようやく自分の意見に取り掛かる。


 ジェリュの複雑な思考迷路をすべて理解するには、時間がかかりすぎるだろう。


 だが、①国王の周囲にいた人々がこの神学論考(意見書)を参考にしたこと、②この意見書が国王に宛てられたものであったこと、そして、③国王とその評議会がジャンヌに対する評価と彼女に対する対応をこの意見書に基づいて決定した可能性があることから、

 特異な状況下で、彼ら(国王とその評議会)が何を教えられ、何を推奨されていたのかを知りたいと思うのは、当然だろう。


**



 まず初めに教会の幸福について論じてから、ジャック・ジェリュは「神が異端者を打ち負かすために乙女を立ち上げた」と主張する。彼の見解によれば、異端者の数は決して少なくない。


「神を信じる者を、信じていないかのように混乱させるために」


「その衣と腿に『王の王、主の主』という名が記されている全能の神は、身分の低い子供の手によってフランス王を救うことを喜ばれた(望まれた)」


 アンブラン大司教は、シャルル七世に神の救済が与えられた理由を5つ挙げている。


(1)国王の大義の正当性

(2)国王の祖先の驚くべき功績

(3)敬虔な魂の祈りと抑圧された人々の嘆き

(4)王国の敵の不正義

(5)イングランド国民の飽くことのない残酷さ


 神が軍隊を打ち破るために乙女を選んだことは、ジェリュにとってまったく驚くべきことではない。


「神は、人間の傲慢さをくじくために、ハエやノミなどの虫を創造した」


 これらの小さな生き物は、しつこく私たち(人間)を悩ませ疲れさせ、私たちが勉強したり行動したりすることを妨げる。どんなに自制心が強い人でも、ノミがはびこる部屋で休むことはできない。


 貧しく身分の低い両親から生まれ、卑しい労働に従事し、言葉では言い表せないほど無知で単純な若い農民の手によって、神は傲慢な者を打ち倒し、彼らを謙虚にさせ、滅びゆく者を救う。そうすることで、神の威厳を明らかにすることを喜ばれた(望まれた)。

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