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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十三章 レ・トゥーレル奪還/オルレアン解放

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13.8 レ・トゥーレル奪還(3)オルレアンの私生児とタルボット

 黒い闇の中、ロワール川の火で赤く染まった堤防に沿って、敗者たちの断末魔が消え去ったとき、フランス軍の指揮官たちはこの勝利に驚きながらも、不安そうにサン・ローラン・デ・オルジェリルの方を見た。


 そこにいるジョン・タルボットが、救えなかった仲間たちの仇を討つために陣営から出撃してくるのではないかと、まだ恐れていたからだ。


 日の出から日没まで一日中続いたこの長い攻撃の間、タルボットとサフォーク伯、そしてサン・ローランのイングランド軍は陣営から一歩も出てこなかった。


 レ・トゥーレル要塞が陥落したあとも、征服者たち(フランス軍)は気を緩めず、タルボットを警戒し続けた。[1100]


 しかし、フランス人の母親たちが、子供たちを怖がらせるためにその名を使った「ジョン・タルボット」は微動だにしなかった。


 タルボットは大いに恐れられていたが、この日、彼自身もまたフランス軍を恐れて、身動きが取れなくなっていた。もし、レ・トゥーレルを救援するために部隊を出撃させれば、フランス軍が彼の陣営と西側に点在する砦(堡塁)を占領するのではないかと恐れていた。



 フランス軍は、オルレアンの町に戻る準備をした。

 3時間後、3つのアーチが壊されていた大橋は通行可能になった。


 暗くなってから数時間後、ジャンヌは朝方に予言したとおり、大橋を通って町に帰ってきた。[1102] ジャンヌの予言は、その成就が彼女自身の勇気と決意にかかっている場合、すべて言ったとおりに実現した。


 隊長たちがジャンヌに付き添い、その後にすべての兵士、弓兵、市民、そして二人一組で連れてこられた捕虜たちが続いた。


 町では鐘が鳴り響き、聖職者と人々は口をそろえて賛歌『テ・デウム(Te Deum laudamus:われら神であるあなたを讃えん)』を歌った。[1103]


 神と聖母の次に、彼らは聖エニャンと聖ユヴェルテに謙虚に感謝した。彼らは生前はオルレアンの司教であり、今やオルレアンの町を守ってくれた天上の守護聖人だった。


 オルレアンの人々は、「包囲前も包囲中も、聖人たちに大量の蜜蝋(みつろう)を捧げ、聖遺物を町中で何度も行進させたので、自分たちは聖人たちの強力な加護を受け、それによって勝利を収め、敵の手から救われた」と信じた。


 彼らにとって、「聖人たちの介入」は疑いの余地がなかった。

 なぜなら、レ・トゥーレル要塞を攻撃した際、明るく輝く2人の司教が空に現れ、砦の上空を旋回しているのが目撃されたからだ。[1104]


 ジャンヌはジャック・ブーシェの家に戻ると、あらためて外科医の診察を受け、胸の上を貫いた矢傷の手当てをしてもらった。夕食にワインや水に浸したパンを4〜5切れ食べたが、それ以外は何も食べず、何も飲まなかった。[1105]

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