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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十三章 レ・トゥーレル奪還/オルレアン解放

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13.2 夜中の軍議と聖女たちの評議会

 貴族、隊長、兵士たちは静かな夜を過ごすために町へ戻った。

 弓兵と市民の大半は、ル・ポルトロー(Le Portereau/ロワール川両岸のオーギュスタン砦(修道院)の西に広がる一帯)にとどまった。

 ジャンヌもまた、翌朝すぐに戦闘を再開できるように、そこに留まりたかった。[1049]


 しかし、隊長たちが馬と従者を野原に残していったのを見て、ジャンヌは彼らに従ってオルレアンへ向かった。[1050]


 カルトロップで足に刺し傷を負い[1051]、疲労困憊で、弱り果てていたジャンヌは、金曜日にもかかわらず、いつもの習慣に反して「断食」を破った。[1052]


(⚠️カルトロップ(caltrop):騎馬の通行を妨害するために地上に設置する武器。菱形の鉄びし)



 この件に関してあまり信用できないパスケレル修道士によると、ジャンヌが宿泊先で夕食を終えると、名前の明かされてないある貴族がやって来て、彼女にこう話しかけたという。


「隊長たちは軍議を開きました。[1053] 彼らは、我々がイングランド軍に比べていかに少数であったか、そして神の大きな恵みによって勝利を得たと認識しています。今や町は十分な物資を補給できたので、王からの援軍を待つことができます。したがって、軍議では、兵士たちが明日出撃するのは得策ではないと判断しました」


 ジャンヌは次のように答えた。


「あなたたちは『あなたたちの軍議』をひらき、私は『私の評議会』をひらきました。私を信じてください。私の神の助言が守られ、有効となるでしょう。一方、あなたたちの助言は無に帰するでしょう」


 そして、一緒にいたパスケレル修道士に言った。


「明日は今日よりも早く起きて、最善を尽くしなさい。つねに私のそばにいるように。明日はこれまで経験したことのないほど大変なことになる。明日、私の体から血が流れるでしょう」[1054]


 イングランド軍がフランス軍よりも数が多かったというのは事実ではない。

 それどころか、はるかに少数だった。

 オルレアン周辺には3000人程度しかいなかった。


 また、このとき、国王からの援軍はすでに到着しており、隊長たちが援軍を待っていたというのは矛盾している。


 翌日からレ・トゥーレル要塞への攻撃に着手することをためらっていたのは事実だが、それは、攻撃中に防御が手薄となった町にタルボット率いるイングランド軍が侵入してくることを恐れたためだ。


 オルレアン市民は、サン・ローランへの進軍(当初予定されていた偽装攻撃)を拒否し、全員がル・ポルトローに行ってしまった。


 ジャンヌの評議会は、これらの諸問題について何も言わなかった。

 聖カタリナと聖マルガリータは、なんの心配も恐れも悩みもなかった。

 ああでもないこうでもないと「疑う」ことは恐れることであり、ジャンヌの聖女たちは決して疑わなかった。


 反論されても、ジャンヌの聖女たちは軍事戦術や戦略について何も知らなかった。聖女たちは、ウェゲティウスの『軍事論』を読んだこともなかった。


 だが、もしそれを読んでいたら、町は滅んでいただろう。

 ジャンヌにとってのウェゲティウスは、聖カタリナだった。


 夜の間、町の通りでは、パン、ワイン、弾薬、その他必要なものはすべて、「ル・ポルトローに残っている市民に届けなければならない」という叫び声が上がった。

 川を渡るボートが絶えず行き来していた。

 男性も女性も子供たちも、前哨基地に物資を運んでいた。[1055]


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